イチロー マ軍と異例の生涯契約 特別アドバイザーに 今季選手出場せず来季日本開幕戦で「復帰」も

[ 2018年5月4日 02:00 ]

マリナーズのイチロー(AP)
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 マリナーズのイチロー外野手(44)が球団の会長付特別補佐に就任し、選手としては今季の残り試合は出場しないことが分かった。球団と生涯契約を結び、来季以降は試合出場も可能。3日(日本時間4日)に発表され、記者会見に臨む。今季最後のプレーとなった2日(同3日)のアスレチックス戦は「9番・左翼」で先発出場し、3打数無安打、1四球1得点だった。

 試合後。節目の試合でしか観戦しない弓子夫人が、クラブハウスの外でイチローを待っていた。2人は歩み寄って抱擁。笑顔の夫と対照的に、孤高の天才を支え続けてきた妻の目は充血していた。

 今季の残り試合はプレーしないことになったイチローだが、来春の日本開幕戦で選手としてグラウンドに立つ可能性はある。マリナーズは来年3月20、21日に東京ドームでアスレチックスと対戦することが正式決定。7年ぶりの大リーグ公式戦日本開催で、イチローが「復帰」すれば、大きな話題となる。

 これまで大リーグは日本で開幕戦を4度開催。マ軍は12年に同じア軍と日本で開幕戦を行い、イチローは第1戦で4安打と活躍した。04年はヤンキースの松井秀喜がデビルレイズ(現レイズ)と対戦し、08年はレッドソックスの松坂大輔、岡島秀樹がア軍戦で凱旋。初開催となった00年のメッツ―カブス戦以外は全て日本選手が出場し、海外戦略を進めるMLBで大きな役割を果たしている。

 通常メジャーの登録枠は25人だが、米本土より1週間程度早い海外での開幕戦の場合、特例として登録枠が拡大されるのが一般的。前回12年も故障者が出たケースの補充要員を含め、登録枠は28人(ベンチ入りは25人)となり、日本選手はイチロー、岩隈、川崎の3人が登録された。イチローは日本でのマ軍の知名度を高めた最大の功労者であり、「特別枠」としてプレーすることは考えられる。

 大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは、日本開幕戦を発表した際「東京という大都市は、MLBの開幕戦を開催するのにふさわしく、再び“野球”を愛する日本のファンの前に戻ってこられることを楽しみにしております」とコメント。「最低50歳まで現役」と話しているイチローは残りシーズンはチームに同行し、練習を継続させるという。今季はもう背番号51の姿は見られないが、来年の東京ドームで復活する。そんなストーリーをファンも待ち望んでいる。

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2018年5月3日のニュース