西武・山川 えぐい!独走11号 68発205打点の日本新ペース

[ 2018年4月30日 06:10 ]

パ・リーグ   西武16―4楽天 ( 2018年4月29日    メットライフD )

<西・楽>5回、山川が11号2ランを放つ
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 西武は29日、楽天相手に先発全員の15安打で今季最多16点を奪い、大勝。球団記録更新中の開幕からの本拠地連勝を11に伸ばした。4番の山川穂高内野手(26)が1点リードの5回に11号2ランを放ち、2安打4打点。本塁打、打点で独走する山川は68本塁打、205打点という日本記録更新ペースで打率・350もリーグ2位に浮上した。3冠も狙える男が首位を独走する西武の中心にいる。

 えぐい。豪快すぎるスイングは、まさに「ブン!」という擬音が似合う。5回に1点を勝ち越し、なお2死三塁。山川は藤平の2球目、真ん中のスライダーをファウルした。

 「あそこは超特大ホームラン狙い。完全な打ち損じ」。勢い余ってヘルメットが飛ぶ。この迫力。超強力打線の4番打者だからこそ醸し出せる迫力だ。最後はそのスライダーを仕留める。外角高めのボール球をライナーで左中間へ。11号2ラン。ここ6戦で6発、17打点とアグーの勢いは一向に衰えない。

 「バットの芯にさえ当たればフェンスは越える。そういうスイングを心掛けてるんで」。火が付いた打線はそこから猛爆。今季初の先発全員&最多タイの15安打で最多16点を叩き出した。本拠メットライフでは開幕から負けなしの11連勝。今季最多3万2741人の観客は休む暇もなく沸きっぱなしだった。

 100キロを超える巨漢。沖縄出身で愛称は地元の豚の呼び名と同じ「アグー」だ。愛嬌(あいきょう)たっぷりの表情と豪快過ぎるスイングの裏に繊細な面も併せ持つ。「野球は待つスポーツだと思う」。打席以外で過ごす時間、待っている時間こそが重要。試合の流れを感じ、投手の配球を読み、ナインと意見を交わす。「打席はほんの一瞬。MAXで迎えるために朝から晩まで動いてる」。書道八段でピアノも達者。繊細さと豪快さが魅力的に調和している男、それが山川だ。

 3回2死満塁では「今日、一番価値があった」と押し出し四球を選んで同点。7回の中前適時打と計4打点を稼いだ。リーグ独走の11本塁打&33打点は、シーズン143試合に換算すると68本塁打、205打点。「ありえないっす。絶対に無理」と笑ったが、リーグ2位に浮上した打率・350と合わせて3冠王も視界に入る。

 「力、技術もあるけど、アイツは打撃について本当に勉強して、考えている」。オープン戦は打率・136ながら、その努力を信じて4番の座を動かさなかった辻監督も山川の姿勢を称える。もはや今季の風物詩となった猛打でチームは最多の貯金13。ちなみに23試合で18勝は、シーズン111勝ペースだ。こちらも、実にえぐい。(鈴木 勝巳)

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