「大谷世代」のパナソニック吉川に11球団30人超集結

[ 2018年4月27日 05:30 ]

社会人野球・京都大会第1日   パナソニック2―0JR西日本 ( 2018年4月26日    わかさスタジアム京都 )

好投したパナソニックの吉川
Photo By スポニチ

 社会人野球の京都大会が開幕し、2会場で予選リーグ6試合が行われた。パナソニックはJR西日本に快勝。今秋ドラフト上位候補の最速148キロ右腕・吉川峻平投手(23)が7回2/3を被安打4の8奪三振、無失点と力投した。大阪ガス、日本新薬も勝利を収めた。27日も2会場で予選リーグ6試合が行われる。

 新生・パナソニックを引っ張ったのはエースの吉川だった。圧巻は2回2死二塁の場面。春原を内角高め147キロ直球で三邪飛に仕留めた。序盤こそ四球が目立ったものの、中盤からカットボールやスライダーを多めに配してスコアボードに0を並べた。入社2年目の今季。宝刀のシンカーだけには頼らない新境地を披露した。

 成績不振で梶原康司前監督(40)が11日付で退任。北口正光部長(51)が監督を兼任する。新体制になって初めて迎えた公式戦を勝利で飾った北口監督は「打たれても抑えるのがエース。どっしりしているし、たくましい。粘り強く投げてくれた」と右腕を称えた。

 ネット裏には11球団30人超のスカウトや編成担当が集結した。阪神の畑山俊二チーフアマスカウトは「調子が良くない中、崩れることなく踏ん張った。カットボールを使って投球の幅も広がった」と評価した。会社は3月に創業100周年を迎えた。吉川は「会社も100周年だし、自分もドラフト解禁年。ターニングポイントになる」と先をにらむ。

 遅咲きの本格派が今秋ドラフト戦線の中心にまで躍り出てきた。関大北陽では2年夏から投手に転向。関大で本格的にリーグ戦登板を果たしたのは3年春からだ。その3年春の京大戦で初先発初完封。メキメキと頭角を現し、侍ジャパン大学代表にも選出された。

 入社1年目の昨年は、シンカーを武器に大車輪の働きだった。主要大会のデビュー戦だった東京スポニチ大会はJR西日本戦で1―0の完封。これまでの最速を一気に4キロ更新する148キロを叩き出した。都市対抗1回戦・三菱自動車岡崎戦は14三振を奪って2失点完投。エース級の活躍でチームを支えた。

 「相手がどこであれ、自分の投球をするだけ。ことしは1球に対する重み、責任感を感じて投げたい。勝てる投手になります」

 昨冬は台湾であったアジアウインターベースボールリーグに参加。経験値をさらに上げた。エンゼルスで活躍する二刀流・大谷翔平とは同世代になる。「同世代というのもおこがましい」と謙そんしたが、今秋のドラフト戦線を熱くする存在なのは間違いない。(吉仲 博幸)

 ◆吉川 峻平(よしかわ・しゅんぺい)1995年(平7)1月24日生まれ、大阪府吹田市出身。佐竹台小1年から「佐竹台ストロングアロー」で野球を始め、投手と捕手。高野台中では「千里山ボーイズ」に所属し、三塁手。関大北陽では1年秋から遊撃手でレギュラー。2年夏から本格的に投手に転向。関大では3年春から本格的に登板。最速148キロ。持ち球はシンカー、カーブ、スライダー。1メートル83、78キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2018年4月27日のニュース