阪神・大山引っ張った!20打席ぶりタイムリー 思い切り良さ取り戻す

[ 2018年4月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―2ヤクルト ( 2018年4月25日    松山 )

<ヤ・神>3回2死一、二塁、左前適時打を放ち、中村コーチ(左)と笑顔でグータッチを交わす大山
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 振り抜いた。芯よりも根元寄りに当たり、詰まってはいても、阪神・大山の気持ちが白球を左前に運んだ。1―0の3回2死一、二塁、自身20打席ぶりの待望の適時打。内角高めのカットボールを引っ張った打球だったことが、この一打の意味をより大きくした。

 「追加点がほしい場面でしたし、2アウトから福留さんと糸原さんがチャンスをつくってくれたので。詰まってはいましたが、練習してきたスイングができて良かったです」

 金本監督から「引っ張れ指令」が出たのは23日だった。休日の予定だったが、巨人戦での3連敗を受けて急きょ実施された全体練習。大山のフリー打撃に鋭い視線を送った指揮官は「全部が全部、逆方向に打たないといけないというのではない。引っ張れる球は引っ張ればいい」と意識改革を求めた。打率1割台に沈み、本来の思い切りの良さが消えていた。無意識に当てにいく打ち方となり、右方向に軽打する打席が目立ったためだ。

 得点圏に走者を置いての安打はまだ2本目で、ここまで22打数2安打、打率・091。それでもスタメン起用が続くのは、首脳陣の期待の表れに他ならない。連日指導している片岡ヘッド兼打撃コーチは「ああいうところでのタイムリーが出たというのは、大山にしてもロサリオにしても上向きになるきっかけにしてほしい」とさらなる奮起を求めた。

 試合後、金本監督は「差し込まれている部分もあるし、ちょっと追い込まれてから逆を意識して…。とりあえず逆方向を狙っても、引っ張れるボールは引っ張って三塁線にファウルを打つくらいの感じでいいと思う」とまだまだ評価は厳しかった。それでも、一つの結果が出たことはプラスにしたい。「あしたから頑張ります」と言い残し、帰りのバスに乗り込んだ23歳。苦しみ、壁に当たりながらも、今は泥臭く前に進んで行く時だ。(山添 晴治)

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2018年4月26日のニュース