広島、2年連続セ10勝一番乗り!広輔V打「必死に打った」

[ 2018年4月18日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7―4ヤクルト ( 2018年4月17日    呉 )

4回1死三塁、田中は右前適時打を放つ
Photo By スポニチ

 広島・田中広輔内野手(28)が2度の同点機に勝負強さを発揮した。7―4で3連勝を飾った17日のヤクルト戦(呉)。2回に右前2点勝ち越し打を放つと、4回にも決勝の右前打だ。好事魔多し…で、6回には投球が右手を直撃。18日以降への影響が気になるが、リードオフマンの活躍でチームは5日ぶりに首位を奪回し、2年連続リーグ10勝一番乗りを果たした。

 トンネルを抜けた。快音を響かせた開幕直後とは一転、打撃状態が下降線をたどっていた田中が復調を告げる2安打3打点。12日以来5日ぶりの首位奪回と、2年連続リーグ10勝一番乗りにバットで貢献し、リードオフマンは素直に喜んだ。

 「チャンスをつくってくれたので必死に打った。いい場面で1本出て良かったです」

 まずは同点の2回1死満塁。1ストライクから原の外角高めフォークを振り抜くと、打球は右前ではずんだ。勝ち越しの2点打。同点に追い付かれた直後の4回1死三塁でも、真ん中高めのスライダーを右前へ運び、決勝点を叩き出した。

 懸念される奇禍もあった。2点リードの6回、先頭打者で左腕・中尾の直球が右手甲付近を直撃。激痛にもんどり打って倒れ、しばらく動けなかった。鈴木、新井を欠く上に、田中まで離脱となれば一大事。自ら公言する「一番近い目標」が途絶えることにもなる。

 遊撃手として球団史上初の2年連続を果たし、現在も継続中のフルイニング出場がそれだ。同ポジションでの記録は阪神・鳥谷の667試合。昨夏の球宴では新井を通じて鳥谷と会話し、(1)足が動かなくなったら、少し前に守る(2)疲れてきた時は多めに走る…など後押しの助言も得た。

 緒方監督が憂いをたたえて言う。「ちょっと心配だね。力が入っていなかったから。明日の状態を見て見ないと…」。松原チーフトレーナーは「右手に投球が当たった。アイシングし、経過を見て判断する」と説明した。

 「試合に出続けるのは当たり前。レギュラーとして一番大切にしていることなので」

 田中は常々そう口にする。この日も最後まで出続け、死球後に3つの遊ゴロを処理。15年4月1日を起点とする連続フルイニング出場は、441試合にまで伸びた。帰りのバスへと向かう通路でもきっぱり言った。

 「大丈夫です。明日また頑張ります」

 少々のことでは弱音を吐かず、グラウンドに立ち続ける男。18日も背番号2が躍動すると信じたい。 (江尾 卓也)

続きを表示

2018年4月18日のニュース