オリ ドラ1田嶋、徐々にプロの顔つきに アマとは違う「1週間」とは

[ 2018年4月17日 10:30 ]

3月31日のソフトバンク戦でデビュー戦勝利を飾ったオリックス・田嶋
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 開幕から約3週間。21歳のあどけなさは残るが、プロの顔つきに変わってきた。オリックスのドラフト1位左腕・田嶋大樹投手だ。

 開幕2戦目だった先月31日のソフトバンク戦でデビューし、5回1安打1失点で白星をつかんだ。球団新人による開幕カード初登板初先発初勝利は阪急時代の1954年の梶本隆夫(開幕戦)、国頭光仁(3戦目)に続いて3人目。チームの今季1勝目にも貢献した。一転して2度目の登板だった今月7日の西武戦では3回1/3を6失点で初黒星。喜びも悔しさも知り、濃密な時間を過ごしている。

 「やっぱりプロと社会人の違いとして、1週間の過ごし方が、すごく大変だなと感じています。“考える1週間”になっていますね。同じチーム、同じ打者と何度も対戦するから、とにかく考える時間が増えました。相手の映像を見たり、“どうしたら次、抑えることができるか”って」

 幼少期からプロ野球に関心がなく、目標や参考にする選手はいなかったという。背番号29に決まった昨年の仮契約の際には井川慶の存在を聞かれ「すみません、知らないです」と正直に打ち明けた。1月の新人合同自主トレの時には報道陣からヤクルト・石川について聞かれ、「もちろん、お名前は知っていますけど、詳しくは分からないです」と答えたこともあった。日々の鍛錬と同時進行で、日中の多くの時間を費やして今後も幾度となく対峙(たいじ)するプロの強打者の研究にいそしんでいる。

 「次は…って考えると不安な気持ちが先にくるんですよね。イライラするとかではなく不安や焦り、それがストレスです。リラックスになればと、これから旅行とかしていこうかなと。京都とか考えています。景色を見るのが好きなんです。学生時代の修学旅行で行って以来。当時は、お寺とか魅力が分からなかったですけどね」

 10日からの1週間は6連戦ではなく5試合だったことから登板機会のなかった田嶋は一時的に登録を外れた。1軍に同行しながら調整を続け、13日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で調整登板して3回無失点。19日のロッテ戦(ZOZOマリン)の先発登板が見込まれ、仕切り直しとなる一戦へ表情を引き締める。

 「だいぶん感覚は出てきたと思います。前回登板の西武戦の途中からセットに変えて良かったので、それを継続してやってきました。(変化球も)安定してきたと思います」

 春季キャンプ序盤に金子、西、山岡との会食機会に恵まれ、以降も精神的な部分も含めて技術指導を仰ぎ、吸収を続ける。社会人No・1左腕がプロ仕様へと牙を研いでいる。(湯澤 涼)

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2018年4月17日のニュース