大谷、初の1人暮らしで自炊に挑戦 米国での二刀流を支える食生活

[ 2018年4月17日 10:00 ]

フライパンを手に調理に挑戦する大谷(提供写真)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(23)のメジャー1年目に密着する月1回の新企画「Monthly Shohei」がスタート。第1回は「体づくりをサポートする食生活」に迫った。明治のスポーツサプリメントブランド「ザバス」のサポートを受け、栄養面を徹底管理。普段は見られない「料理男子」の姿も独占公開する。(取材構成・柳原 直之)

 戦いは春季キャンプ前から始まっていた。渡米直後の2月初旬。大谷は米アリゾナ州テンピのエ軍マイナー施設での自主トレ後、すぐにコンドミニアムに戻った。プロ3年目からアドバイザリー契約を結ぶ明治のスポーツサプリメントブランド「ザバス」担当の大前恵さん(50)から栄養情報のレクチャーを受けるためだ。

 大谷が希望したのは「高タンパク質、低脂質」の食事だったが、大前さんは「肉や魚の部位、調理法、同じ卵でも“全卵”と“卵白”だけだと脂質が大きく違う」などとアドバイスを送った。キャンプ中にチームで用意された食事は朝昼2食。体づくりに欠かせないプロテインはケータリングや自炊で不足しがちになるビタミンやミネラルが豊富に含まれる「ホエイプロテインGP」に変更した。大前さんは「“高タンパク質、低脂質”は(食材が)硬くなるように思われがちだけど、そうではない」と言う。現在、大谷は約97キロの体重の制限は行っていないが、プロテイン、サプリメントにとどまらず「食材」から助言することで、長期的なウエートコントロールの参考にしてほしいという狙いがあった。

 力強い援軍も加わった。大前さんにはアスリートのマネジメントを手掛けるスポーツバックス所属のスポーツ料理研究家・村野明子さん(50)も同行。副菜も含め約100食を作り置きし、キャンプ期間中の夕食をサポートした。牛ヒレ、豚モモ、鶏ムネ肉、ホタテ、エビなど100グラム中20グラム以上のタンパク質が摂取できて、脂質が10グラム以下のものを100グラムずつ調理。毎日3種類300グラム、日本同様に、夕食でタンパク質を60グラム以上取ることができた。

 初の1人暮らしとなる大谷が自炊できるように調理実習も実施した。大谷が希望したのは、チキンライスの上にのせたオムレツにナイフを入れると“ふわとろ”の卵が開いていく「タンポポオムライス」。タマネギのみじん切りから大谷自身が実践。その手さばきは村野さんが「手を切ってはいけないのでひやひやしながら見ていたけど手先が凄く器用。初めて包丁を握るようには全く見えなかった」と驚くほどだった。

 白米や玄米を鍋で炊く方法も教えられ、自分で日本と変わらぬ「おいしさ」を再現できるようにもなった。09年からサッカーJ1神戸の寮母を務める村野さんは「料理は気持ちのリフレッシュにもつながるので、彼の趣味の一つになるんじゃないかなと思った」と話し「立派な料理男子になれる。それくらい料理に興味を持っていた」と太鼓判を押した。

 現在は本拠エンゼルスタジアム近郊に居を構え時間を見つけて自炊もこなしている。メジャー1年目。環境の変化にも、大谷は「変わらないのは食事くらい」と語る。変化を楽しみ、変えてはいけないものを守っている。食による「体づくり」が大谷の二刀流の挑戦を支えている。

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