西武、雄星で開幕6連勝!絶対的エース“勝つピッチング”徹底

[ 2018年4月7日 06:10 ]

パ・リーグ   西武5―1オリックス ( 2018年4月6日    メットライフD )

8回2死、伏見を打ちとりガッツポーズする西武・菊池
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 西武の菊池雄星投手(26)は6日のオリックス戦に先発し、8回1失点で開幕から2連勝を飾った。4回まで無安打投球。わずか2安打に抑え、チームを自身が生まれた年で日本一に輝いた1991年以来27年ぶりとなる開幕6連勝に導いた。さらに、開幕から6試合続けて先発投手に白星が付いたのは球団初となった。

 新たな自分を見つけた。自己満足ではなく勝つピッチング。菊池は勝利をかみしめるように振り返った。

 「絶対に流れを渡したくない中で、こんな球を投げられるんだというのが分かった。勝負どころやヤマ場を感じられるように年々、なっていると思う」

 4回まで無安打投球。だが腕が振れずに直球が思うように走らなかった。「去年1年を考えても下の方」と言うほどの状態。序盤は接戦になり「点差もなかったので思い切り、腕を振るところがなかった」と修正にも苦戦した。浅村のソロで先制した直後の5回は先頭へのこの日3個目の四球から同点とされたが、この1点にとどめた。メジャー挑戦の希望を持つ左腕はヤンキース、レッドソックスなど大リーグ8球団のスカウトが視察する中で粘り強さを見せた。

 「実戦感覚もなくて正直、遅れも感じている」。3月14日の中日とのオープン戦で寝違えのため1回降板。開幕前に最も球数を投げるはずが、21球で終わり調整が狂った。それでも現状のベストを引き出すのがエース。3回からは右足の上げ方を遅くするなど懸命に修正を図った。そして自身を救ったのは日々の研究成果だった。

 開幕戦で1球も投げなかったチェンジアップが効果的だった。6回2死一塁でロメロを空振り三振に仕留めるなど、要所で効いた。前夜に各球団のチェンジアップが得意な投手のトラックマン(高性能弾道測定器)のデータを考察し、試合前のブルペンで試投。「何センチ前でリリースしたらいいかとやってみた。ゴロを打たせられたし、空振りも取れた」と粘りに結びつけた。

 チームは日本一に輝いた91年以来の開幕6連勝。当時のメンバーだった辻監督は「丁寧に投げていた」と大黒柱に目を細める。開幕6戦連続先発白星の球団新記録も樹立し、菊池は「打線も凄いけど、ピッチャーも頑張ろうという話はしている」と結束を強調した。

 投球の引き出しを駆使し、カメレオンのように変身して白星をつかむ現実的投球。「9年目なので、そのくらいはできないと」。絶対的エースは新たな強さを見せつけた。 (春川 英樹)

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2018年4月7日のニュース