日大三2年生右腕・井上 カラオケで「糸」熱唱のワケは…

[ 2018年4月6日 11:30 ]

由利工戦で4回から登板し、好投した日大三・井上
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 大阪桐蔭の史上3校目の連覇で幕を閉じた第90回記念大会のセンバツ。2年生投手が鮮烈な甲子園デビューを果たした。日大三の井上広輝投手だ。右腕は初戦の由利工戦で4回から6イニングを無失点に抑え、自己最速を2キロ更新する147キロをマーク。堂々の今大会最速タイだった。

 小倉全由監督に面白い話を聞いた。昨年のクリスマス会恒例のカラオケ大会で、井上が中島みゆきの「糸」を熱唱したという。16歳らしからぬ選曲に、小倉監督は「『糸』には参りましたよ。縦の糸はあなたー横の糸は私ー♪って、また高音で歌うんですよ。EXILEなんかも歌うしね」と笑っていた。

 井上は「監督さんの知っている曲にしようと思って。カラオケでは90点台が出ます」。三代目J Soul Brothersも得意だというから、幅の広さに驚く。背番号11は2回戦の三重戦で先発に抜てきされ、チームは敗れたが、6回3失点の好投だった。「縦の糸はあなたー横の糸は私ー」ならぬ「縦の変化はチェンジアップ横の変化はスライダー」とばかりに変化球もキレキレだった。

 同校OBの兄・大成は昨年の主力内野手で、日本ハムドラフト1位・清宮(早実)らとともにU―18ワールドカップに出場した。弟・広輝は「兄は追い抜きたい存在で憧れでもあるので、同じ日大三を選んだ」と話す。「銀の龍の背に乗って」ならぬ「兄の大成の背を追って」名門で聖地の土を踏んだ。

 2回戦で敗れた後は「自分のストレートはまだまだ通用しない」と肩を落としたが、将来プロに入れば「時代」の歌詞のように「そんな時代もあったね」と笑って話せるだろう。「地上の星」いや、「期待の星」に「ファイト!」と言いたい。(記者コラム・渡辺 剛太)

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2018年4月6日のニュース