大谷、同僚から学んだ重いボールの使い方 ミドルトン「アイデア交換はみんなのプラス」

[ 2018年4月4日 10:45 ]

練習を終え中継ぎ右腕ミドルトン(右)と談笑する大谷
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 エンゼルスの投手陣にひときわ目立つドレッドヘアーの男がいる。ケイナン・ミドルトン投手(24)。ロースター選手25人の中で最年少23歳の大谷に次ぐ若手有望の中継ぎ右腕だ。

 普段のキャッチボールでは抑えのパーカーとともに必ず「ウエーテッドボール」という重いボールを使ってキャッチボールを行う。「僕は肩が緩いので、それで腕をストレッチさせている」。青色の16オンス(約454グラム)、9オンス(約255グラム)のボールを順に投げ、最後に通常のメジャー球(約149グラム)を投げる。この類いのボールは中南米系の選手がよく使うが、米オレゴン州出身のミドルトンも「本当のボールが軽く感じて、投球モーションが自由に感じる」とその効果を語る。2日(日本時間3日)時点で3試合、3イニングを投げ無失点。常時150キロ台後半の直球と手元で動くムービングボールを武器に開幕からセットアッパーの役目を担っている。

 3月24日の紅白戦。先発の大谷がイニング間に不意にこのボールを使ってストレッチをし始めたことがあった。米国では禁止されているベンチ前のキャッチボールの代用だった。メジャー初先発初勝利を挙げた1日のアスレチックス戦でも大谷はイニング間にこのボールを持って腕を回すなどして次の回の投球に備えた。

 ミドルトンは「僕は彼から学ぶことがあるし、彼も僕たちから学んでいることがあると思う。そうやってアイデアを交換していけばみんなのプラスになる」と語る。1メートル89、98キロの巨体で丸太のような二の腕と分厚い胸板を誇る一方で、口調は穏やかで笑顔が愛くるしい。大谷がメジャー初勝利を挙げたア軍戦で9回のピンチを締め、今季初セーブを挙げたのがミドルトンだったのも不思議な導きだった。(記者コラム・柳原 直之)

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