東海大相模 攻めの守り勝ち 一塁手・山田が60メートルレーザー返球

[ 2018年4月2日 05:30 ]

第90回選抜高校野球大会第10日・準々決勝   東海大相模3―1日本航空石川 ( 2018年4月1日    甲子園 )

<東海大相模・日本航空石川>4回1死一、三塁、野口の右中間を破る当たりで日本航空石川の一塁走者・上田(右)がホームを狙うも、上田の好返球でアウトに
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 大遠投が東海大相模を救った。1―0の4回1死一、三塁。野口が右中間を破られ、同点にされた。次の瞬間、二塁手の山田は右翼・梶山の5メートル手前まで近寄っていた。本塁まで約60メートル。ワンバウンドのストライク送球だ。一塁走者・上田の生還を阻止し、勝ち越し点を許さなかった。

 「日頃から甲子園を意識して練習した成果」。胸を張った山田は名門で1年春からベンチ入りした実力派だ。3人兄弟の末っ子で、次兄の啓太は小笠原(現中日)や吉田凌(現オリックス)らの1学年下で15年夏の全国制覇メンバー。左腕として投手陣を支えたが、甲子園では出場機会なし。「優しいので出られなかった悔しさとかを言ったりはしない」と山田。野球の助言をくれる兄の分まで、甲子園を所狭しと駆け回った。遠投は100メートル。その強肩を生かした守りで勢いに乗った2番打者は6回には「なんとかつなごう」と食らいつき、左翼線へ決勝の適時二塁打だ。

 「僕は打てる打者じゃない。だから守りはできて当然だと思ってやっている。今日は初回以降、点が取れなくても攻めの守りを見せようと思った」と山田。投げても先発・野口とエース斎藤の1失点リレーで競り勝ち、門馬敬治監督は「守って攻める。そういう意味では守り勝ちだった」とうなずいた。それぞれの役割を理解して全うするのが相模の強さ。4強入りは優勝した11年以来7年ぶりだ。3日の準決勝は智弁和歌山と激突。攻めの守りで頂点をつかむ。 (松井 いつき)

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