2戦連発の巨人・岡本 飛距離アップはケガきっかけ“おかわり打法”

[ 2018年4月2日 09:14 ]

セ・リーグ   巨人3―2阪神 ( 2018年4月1日    東京D )

<巨・神>4回1死二、三塁、左越えに3ランを放ちベンチの祝福を受ける岡本
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 「おかわり弾」だ。巨人・岡本和真内野手(21)が1日の阪神戦で逆転3ランを放ち、チームを6年連続となる開幕カード勝ち越しに導いた。2点を追う4回に左翼席へ運んだ。自身初の2試合連続アーチで、2試合で計8打点の大暴れ。4年目を迎えた大砲候補に覚醒の予感が漂っている。

 高い、滞空時間の長い放物線。岡本自身が犠飛と感じるほどだった。「打球が上がりすぎたので、ホームランになるとは思わなかった」。0―2の4回1死二、三塁。秋山が初球に投じた高めの140キロ直球を打ち上げた打球は、本人の手応えとは違い、左翼席へと届いた。自身初の2戦連発は逆転の決勝2号3ランとなった。

 飛距離の源は右手のグリップ。岡本は右手の小指を左手の人さし指にかぶせるように握る。「中学時代に小指をケガしたことがあって、かばうために始めた」。打ったときの感触が良かったために、患部が完治した後も継続。力が抜けた状態で構え、インパクトの瞬間だけ力を入れることにつながる。

 偶然だが、智弁学園時代に「憧れ」と話していた西武・中村も同じ握りだ。本塁打王6度の中村と「ケガの功名」というきっかけも一致。大阪桐蔭2年時に右手小指を骨折したことで始めたという。岡本は今季、右足に体重を残すことを意識し、軸回転で打球を引っ張る。自身も「昨年に比べれば飛んでいる」と実感する新打法だが、オープン戦で対戦した西武の関係者も「今年は中村の打ち方に似ている」と話す。滞空時間の長い一発も中村の放物線と似ていた。

 自らの一振りで6年連続の開幕カード勝ち越しとなった。「昨年は試合に出させてもらっても、何もできなかった。いいスタートが切れた」と充実感はある。前日から2日で2本塁打、8打点はリーグトップ。高橋監督は「長距離バッターというか、力負けせずにいいホームランだった」と賛辞を贈った。

 2日連続でお立ち台も「おかわり」した岡本。1年目に初めて立ったお立ち台では「奈良県から来たジョニー・デップです」と笑いを誘ったが、この日は「今年は気を引き締めているのでやりません」と決意をのぞかせた。目標の本塁打数は「いっぱい打ちます」と言った。 (神田 佑)

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