上原、10年ぶりの桜に誓うV奪回「チームが勝てばそれでいい」

[ 2018年3月30日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人―阪神 ( 2018年3月30日    東京D )

10年ぶりに日本で開幕を迎える上原は、満開の桜に穏やかな表情を見せる 
Photo By スポニチ

 プロ野球は30日、セ、パ両リーグで6試合が行われ、開幕する。巨人は東京ドームで阪神と対戦。上原浩治投手(42)にとっては10年ぶりに迎える日本での開幕戦だ。かつて球団最多7度の開幕投手を務め、時を経て今回はブルペンで出番を待つ。昨季、築けなかった勝利の方程式を強固なものに変え、盟友でもある高橋由伸監督(42)を胴上げする。

 上原にすれば、開幕前日は「普通の一日」だった。東京ドームで淡々と練習し、「まだ何の緊張感もない。(開幕に向け)何か特別なことをすることもないですし」と言った。チームにすれば違う。上原がいる光景。頼もしい変化とともに、戦いの準備を整えた。

 オープニングゲーム。上原はブルペンで勝機を待つ。日本で開幕戦にリリーフで登板した経験はない。前回在籍時は開幕投手の常連だったから当然だ。それでも、メジャーでは10年途中から本格的に救援投手に転向。95セーブ81ホールドとキャリアを残し、13年には守護神としてレッドソックス世界一の原動力となった。「アメリカでもずっとそう(リリーフ)だったから、特別何かということはない」。環境が変わっても自然体でいられる。

 9日に巨人復帰が決まって以来、日本の公式球とマウンドに慣れることに追われた。米国式の硬いマウンドに合わせたフォームを見直した。調整を重ねながら、オープン戦では3試合無失点。登板の度に、球場は割れんばかりの大歓声だった。上原の登場は雰囲気を一変させる。調整は急ピッチで行われたが「始まってしまえば結果が全て。言い訳はできないので、やるしかない」と覚悟を見せた。

 上原不在の9年間。12年から3年連続リーグ優勝を飾った一方、チームは次世代を担う若手の育成に失敗した。原監督の後を受けた高橋監督も、戦力低下に苦しんだ。16年は2位も、昨年は11年ぶりのBクラス。その2年間、セ・リーグ王者は広島、日本一は日本ハムとソフトバンクだった。指揮官は「強いチームは後ろ(の投手)がしっかりしている」と肌で感じた。近年の課題であった「勝利の方程式」。沢村の復活、そして上原の加入により、マシソン、カミネロも含めた4投手で、12球団屈指といえる盤石なリレーを築くことが可能になった。

 満開の桜が目の前に広がった光景に「桜を見るのは10年ぶりだなぁ」。久々に日本の春を体感した。「とにかくチームが勝てば、それでいい」。満員の観衆に笑顔の花を咲かせるため。正念場の3年目を迎える高橋監督を男にするため。日米通算20年目のシーズンが始まる。(池田 翔太郎)

続きを表示

2018年3月30日のニュース