イチ開幕スタメン「ギフト」に感謝 思い出すのは「仰木監督」

[ 2018年3月30日 05:30 ]

本拠地セーフコ・フィールドでキャッチボールするマリナーズのイチロー
Photo By 共同

 大リーグは29日(日本時間30日)にレギュラーシーズンが開幕する。マリナーズはイチロー外野手(44)がインディアンスとの開幕戦(同午前11時10分開始)に「9番・左翼」で先発出場すると発表。現役最年長野手の開幕スタメンはヤンキース時代の13年以来5年ぶり。44歳5カ月は日米を通じ、98年落合博満(日本ハム)の44歳3カ月を抜いて日本選手最高齢となる。

 練習中のグラウンド。スコット・サービス監督から開幕先発を告げられたイチローは喜びを隠さなかった。

 「こんなギフトがあるなんて思いもよらなかった。こんなに人の気持ちに応えたいと思ったのは久しぶり。ここまで我慢してくれて、最終的にこの判断をしてくれた」。16日遅れてキャンプインし、右ふくらはぎの張りや頭部死球で調整が遅れていた。オープン戦も10打数無安打だった。

 首脳陣の計らいに、オリックス時代の亡き恩師が重なった。「20歳のとき、仰木監督がそういう思いにさせてくれた。それに近い感覚がある。この判断、びっくりしました」。大ブレークを後押ししてくれた指揮官は、チームの勝敗よりも、まず選手として一本立ちする上で自身のプレーに集中するよう助言。20歳の心に響いた。

 6年ぶりに復帰した44歳に、サービス監督は「最後の2日間で大丈夫なところを見せてくれた。9番でいろんな貢献をしてくれるはず」と期待する。5年半ぶりに訪れた本拠セーフコ・フィールドのロッカーは当時と同じ場所。イチローは「アメリカ人にも粋という概念がね、ないと思っていたけど、ちょっとあるかもねと思いました」と笑顔を見せた。

 日米通算4358安打を誇り、迎えたプロ27年目のシーズン。開幕前に相次ぐ負傷に見舞われ「途中からはまずセーフコ・フィールドに立つことが大きな目標でした」と心中を明かした。開幕戦のチケットは完売。慣れ親しんだシアトルのファンの前で感謝の気持ちをプレーで表現する。

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2018年3月30日のニュース