大阪桐蔭・藤原、母へ感謝のフルスイング 全力プレーでチームけん引

[ 2018年3月27日 08:33 ]

第90回選抜高校野球大会2回戦   大阪桐蔭14―2伊万里 ( 2018年3月26日    甲子園 )

2回1死一塁、中越え二塁打を放つ大阪桐蔭・藤原
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 史上3校目の春連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)が2回戦に登場し、20安打14得点で伊万里(佐賀)に圧勝した。安打数と得点はいずれも同校の選抜での最多を更新。右膝負傷を抱える藤原恭大外野手(3年)が4番、根尾昂内野手(3年)が5番に入る新打順で偉業へ好スタートを切った。

 4万5000人の観衆が押し寄せた平日の甲子園で次々と快音がこだました。史上3校目の春連覇を狙う大阪桐蔭の初戦。21世紀枠で出場した伊万里に計20安打を浴びせ、14点を奪った。選抜での安打数、得点はいずれも同校の最多を更新。貫禄の圧勝劇で偉業を目指す春が始まった。

 新打順で一気に畳みかけた。初回に6安打を集め、一挙5得点。旧チームから不動の1番を務めてきた藤原が右膝負傷を抱えるため、公式戦で初めて4番に入った。藤原の見せ場は2回1死一塁の場面。右前へ運ぶと、一気に二塁を陥れた。完治していない右膝からのスライディングに「無意識。反射的でした」と笑った。4回には柿木が右前へ運び、早くも先発全員安打。一発はなくても破壊力満点の攻撃だった。

 24日の宿舎。みんなで両親などに宛てた手紙を書いた。藤原は病院への送り迎えをしてくれた母へ感謝の言葉をつづった。『いつもありがとう。悔いなく、フルスイングします』――。その決意通り、4回は鋭いスイングで右前へ運んだ。痛み止めの薬を飲み、サポーターを施した患部の状態は「8割くらい」だが、全力プレーでチーム引っ張った。

 5番に入った根尾も2安打3打点と気を吐いた。「(藤原)恭大が打てなくても、自分が打つつもりでした」と胸を張った。今秋ドラフト1位候補が中軸に座る新打順。根尾は「1番に恭大がいても相手は嫌だろうけど、中軸にいたら、もっと嫌だろうなと思う」と手応えを示す。

 2度目の春夏連覇を狙った昨夏の3回戦でサヨナラ負けした悪夢も振り払い、西谷浩一監督は「一球たりとも気の緩みはなかった」とうなずいた。甲子園初出場だった6番の石川が3安打3打点と活躍するなど新戦力も台頭。史上3校目の快挙へ、ムードは最高潮だ。(吉仲 博幸)

 ◆藤原 恭大(ふじわら・きょうた)2000年(平12)5月6日生まれ、大阪府豊中市出身。原田小1年から「園和北フレンズ」で野球を始め、小5からエース。豊中市立第五中では「枚方ボーイズ」に所属し、投手と中堅手。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入り。好きな選手はソフトバンクの柳田悠岐。高校通算21本塁打。50メートル走5秒7。遠投105メートル。1メートル81、78キロ。左投げ左打ち。

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