阪神・大山　開幕ＧＯ砲　最後の最後で！やっと出た今春１号

オープン戦   阪神１―１オリックス （ 2018年3月25日    京セラＤ ）

＜オ・神＞８回１死、大山（左）は中越えに同点ソロを放ちナインとハイタッチ
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　阪神の大山が２５日、最後のオープン戦となったオリックス戦（京セラドーム大阪）で自身の１号を中越えに放った。わずか２安打と最後まで打線が低調だった中で飛び出した待望の一発。試合は引き分けに終わり、２勝１２敗２分けで６年ぶりのオープン戦最下位となったが、期待の大砲候補が描いたアーチは、猛虎打線を上昇させる、きっかけになるはずだ。

　このまま打てずに終わるのか…。オープン戦とはいえ、打線は湿りっぱなし。虎党が不安を募らせる試合が続いた中、最後の最後に大山がスカッとする一発を放った。０―１の８回１死、１ストライクから右腕・小林の１４４キロ直球をバックスクリーンに運んだ。

　「それまで（の打席）がひどかったんで。良い時も悪い時もあるけど、悪い時は悪いなりのバッティングができないといけない。凡打でもチームのプラスになる凡打を増やしていきたい」

　オープン戦５７打席目。沖縄キャンプの実戦を含んでも、意外や意外の今春１号に本人は一切、表情を緩めなかった。オープン戦は５３打数１１安打の打率・２０８、１本塁打、５打点。期待のホープながら、結果も求められる立場だけに納得のいく数字ではない。それでも、最終戦の最終打席で一発が飛び出したことは、気持ちの面でも開幕への大きなプラス材料になるはず。金本監督も「速いストレートを捉えられた。チームにとっても彼にとってもよかった」と称えた。

　本来の思い切りのいい打撃を取り戻すため、最近１週間は片岡ヘッド兼打撃コーチと二人三脚で修正に取り組んできた。１９日には横浜スタジアムでの指名練習で片岡ヘッドの投げる超スローボールを左翼スタンドに放り込む練習に励んだ。この京セラドーム３連戦でも、ナイター明けのデーゲームだった２４日に早出特打を敢行。軸足の右足を一度捕手側にステップしてからスイングする練習で、間の取り方を調整した。それだけに片岡ヘッドも安どの表情だ。

　「これまではいい感じで捉えてもフェンス手前で失速することが多かった。真っすぐに大山らしい、いいスイングをしてくれたし、本塁打がゼロだったんで、最後の最後に１本出たのを開幕につなげてほしいね」

　指揮官が鳥谷を二塁に転向させてまで大山を起用し続けるのは、阪神を背負って立つだけの逸材と確信しているからこそ。２年目にして大きな期待のかかる一年となるが「一試合一試合、全力でやります」と謙虚でひた向きな姿勢は不変。大器が飛躍を期すシーズンが間もなく幕を開ける。（山添　晴治）