井口ロッテ 新人コンビ開幕スタメン決定的 OP戦最終戦そろって2安打

[ 2018年3月26日 05:30 ]

オープン戦   ロッテ7―2中日 ( 2018年3月25日    ナゴヤD )

<中・ロ>4回2死一、二塁、松坂の遊ゴロを処理する藤岡裕
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 ロッテのドラフト2位・藤岡裕大内野手(24=トヨタ自動車)が25日、オープン戦最終戦となった中日戦で、憧れの松坂から2安打を放ち、「2番・遊撃」での開幕スタメンを決定的にした。また、同4位・菅野剛士外野手(24=日立製作所)も2安打でスタメンが濃厚。新人2人が3月30日の開幕・楽天戦(ZOZOマリン)で井口新監督に初勝利をプレゼントする。

 0―0の4回無死、2打席目だが、藤岡裕の鼓動は高鳴ったままだった。マウンドにはあの松坂がいる。初回1死の第1打席は変化球で遊ゴロ。雑念を振り払い、センター返しだけを心掛けた。内角142キロを右中間二塁打。5回1死でも右前にはじき返した。

 「緊張しました。(目の前に)テレビで見ていた人がいる。まさか、対戦できると思っていませんでした」

 4歳で野球を始めた藤岡裕が「松坂」を知ったのは5歳の夏。98年夏の甲子園、準々決勝の横浜―PL学園戦は生中継に加え、実家のビデオで繰り返し見てきた。「延長17回、3時間37分の激闘。めっちゃ見ていました」。試合時間さえ言えるほど憧れた「平成の怪物」から放った格別の2安打。そしてこの2本で開幕スタメンへの道を切り開いた。

 春季キャンプから存在感を示し、井口監督からは「誰が見ても抜けている」と絶賛された。だが、3月3日の日本ハム戦の7回に二盗を狙い、スライディングした位置が二塁ベースに近すぎ、むち打ちのような形で首を痛めた。軽症と思われたが、再発。23日の中日戦が復帰戦だった。

 不在期間に3年目・平沢の台頭もあり「2番・遊撃」争いは混沌(こんとん)としたが、復帰後は3試合連続安打し、オープン戦打率は・538。「実戦でも結果は残したし行けると思う。あとは試合勘だけ。火曜日(27日)からは下(2軍)で試合に出させる」と井口監督も30日の開幕・楽天戦へ太鼓判を押した。イースタン・リーグでさらに感覚を研ぎ澄ませる。

 ドラフト4位の菅野も腰痛の角中が守備に就けるかの回復次第で右翼、もしくは左翼での開幕スタメンが濃厚だ。複数新人野手の開幕スタメンは、球団では21年ぶり。指揮官も「まだ1週間ある。どうでしょう」としながらも「その可能性はある」と言った。

 オープン戦は巨人に次ぐ2位。キャンプから実戦重視を貫いた新監督の下で、若手が着実に結果を出し、戦う態勢は整った。

 「ルーキーらしく、積極的に失敗を恐れずにやりたい」

 そう話した藤岡裕、そして菅野がチームに無限の可能性を生む。(福浦 健太郎)

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