ハム宮西が担うベテランの役割 二岡氏から学んだ若手との接し方

[ 2018年3月26日 11:15 ]

近藤(左)と笑顔で話す宮西
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 プロ野球界において「ベテラン」の役割は大きい。チームのまとめ役やコーチと選手のパイプ役だけでなくキャンプ地や遠征先では後輩を誘って食事に出かけることでコミュニケーションを取る。組織が円滑に動くために不可欠な存在。発展途上の若手が多い日本ハムでは32歳の宮西だろう。

 入団から昨年まで10年連続で50試合以上に登板するタフネス左腕。実績もさることながら後輩の面倒見も良く、遠征先では積極的に後輩を誘って食事に出かける。加藤、田中豊ら同じ投手だけでなく、中島、西川ら野手も誘ってアドバイスを送る。投手と野手に壁がない日本ハムならではの一体感に一役買っている。

 宮西に影響を与えた人物がいる。プロ2年目の09年から13年までチームメートだった二岡智宏氏(現巨人1軍打撃コーチ)だ。宮西は「二岡さんは野手なのに僕ら若い投手を食事に誘ってくれたし、アドバイスもくれた。だから自分も年齢が上になったらそうしようと思った」と感謝する。相手打者にどう見られているのか、後ろで守っている野手はマウンドの投手をどう見ているのか…。洞察力も優れていた二岡氏と共有した時間は、その後の投球にも生きた。

 プロ11年目の今季、もはや50試合以上登板は最低限のノルマだ。求めているのは球質の向上。「ここ2年は(左肘の)手術もあったりして本当に納得がいくボールを投げてない」という。指先から球にパワーを伝えるため、オフはウエートトレーニングに重点を置いて筋力アップに成功。「体重は3キロ増えて腕周りも1・5センチぐらい太くなった」というパワーアップした体でオープン戦は6試合、計5回2/3で防御率1・59の成績を残した。

 2年ぶりのリーグ優勝と日本一を目指す2018年。左のセットアッパーでもあり、チーム全体を見渡せる宮西はチーム浮沈の鍵を握っていると言っても過言ではない。(記者コラム・山田 忠範)

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2018年3月26日のニュース