横浜前監督・渡辺氏が語るタイブレーク「投手の判断力求められる」専門投手の育成も

[ 2018年3月23日 08:00 ]

横浜の渡辺前監督
Photo By スポニチ

 第90回選抜高校野球大会は23日、甲子園球場で開幕。今大会はタイブレーク導入決定後、初めて行われる甲子園として注目が集まる。歴代3位タイとなる甲子園通算51勝を挙げている横浜の渡辺元智前監督(73)にポイントを聞いた。

 耐える心を養うことも大事だと思うが、タイブレーク導入は時代の流れでしょう。1、2点の争いとなる中では監督、選手両方の「決断力」が大事。攻撃では無死一、二塁からバント、強攻、進塁打以外に三盗という選択肢もあるだろう。アウトになったとしても走者は残る。特長を生かし、勇気を持って1点を取りにいく手段も考えなければならない。

 投手は打者が何をしようとしているのか、自身で判断していくことが求められる。セットポジションからの投球練習やクイックやフィールディングの正確さも練習で培っておく必要がある。特にバント処理の場面でフィールディングがうまい投手であれば併殺もとれる。複数の投手をそろえるだけでなく、度胸がある、クセ球を持っているなどの「タイブレーク用の投手」を育てていかないといけないかもしれない。

 監督も瞬時の判断を連続して下していくことになる。どうやって選手に精神的な安心感を持たせられるか。今回は継続打順なので例えば、下位打線に投手がいる場合、そこに代打を出すかどうか。普段の練習から確認しておく必要がある。公式戦では前例がない中で対応していかなければならない難しさはあるが、出場校には思いつきではなく勝つための野球をしてほしい。備えた中での敗戦はやむを得ないからだ。ロースコアの展開で、一つの判断や決断が試合の流れをどう変えるのかに注目したい。

続きを表示

2018年3月23日のニュース