【石井一久 視点】上原、抜けていた直球 無理に開幕に合わせる必要ない

[ 2018年3月21日 08:28 ]

オープン戦   巨人1―3日本ハム ( 2018年3月20日    オープン戦 )

3426日ぶりに東京ドームのマウンドに立った上原
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 上原にとって、無失点に抑えた結果よりも、今の自分の状態を確認できたことが一番の収穫だろう。メジャーのマウンドは傾斜もきつく、硬い。僕もメジャーで4年間プレーし、日本に戻ってきた時は多少の戸惑いはあった。上原の場合は9年間のブランクがある。日本のマウンドの特徴を頭で理解していても、一定のアドレナリンや集中力が出る試合で実際に試さないと分からないことも多い。

 この試合で言えば、真っすぐが抜けていた。元々、下半身が沈み込んで投げるタイプではないが、軟らかいマウンドに踏み出す左足が土にかむか、かまないかを意識しているような感じで、上体でリードしている分、いつもよりリリースポイントが早かった。

 得意のスプリットもメジャー時代ほどの落差はなかったが、一般的に日本の公式球はメジャーの公式球よりも変化や動きが小さくなる。これもブルペンとは違い、試合でしか出ない腕の振りで投げて、修正点が分かる。

 上原はキャンプも参加していないので、無理に開幕戦に合わせる必要はない。僕の経験上、マウンドの違いは、時間とともに解決する。実績と経験は申し分ない。今後は登板を重ねることで、自分のタイミングやマウンドの感覚を調整していけばいい。(スポニチ本紙評論家)

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2018年3月21日のニュース