上原ただいま0封!“不具合”でMAX133キロ「遅っ!」

[ 2018年3月21日 05:30 ]

オープン戦   巨人1―3日本ハム ( 2018年3月20日    東京D )

7回1イニングを無失点で抑えた上原
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 大リーグから10年ぶりに巨人に復帰した上原浩治投手(42)が20日、日本ハム戦で7回に登板した。08年11月1日の西武との日本シリーズ第1戦以来、3426日ぶりとなる東京ドームで、1四球を許しながら1イニングを無失点。06年に実数発表となってから、本拠地のオープン戦としては最多4万6297人が押し寄せた。スタンドからは「上原コール」が鳴り響いた。

 万雷の拍手と「上原コール」がこだまする。大歓声の中で引き揚げると、ベンチ前で阿部がハイタッチを求めて待ち受けていた。「だいぶ緊張した。とりあえず1イニングもってよかった」。硬かった上原の表情が、そこでようやく崩れた。

 7回に登板した。東京ドームのマウンドは3426日ぶり。「マウンドからのサインが見づらかった。自分の目が悪くなったのか…」と年月を意外な形で感じた。球が浮き、首をかしげるシーンもあった。それでも先頭・中島には粘られながらも外角直球で見逃し三振。西川を四球で歩かせたが松本、近藤は伸びのある直球で打ち上げさせた。大歓声で迎えてくれたファンに感謝の気持ちを込めて22球を投げ込んだ。

 この日は球速計が不安定で、球場表示では最速133キロ。ベンチでは阿部や斎藤投手総合コーチから「球、遅っ!」といじられ、自分でも「遅っ!!」と笑った。「周りから見てそう思うなら、打者から見ても速いと感じてない」と言うが、球団関係者の計測では138キロが出ていた。

 10年ぶりの日本復帰。米国の硬いマウンドに順応してきたが、日本の軟らかい土に感覚を取り戻さなければならない。「左足を踏み込んだ時の軟らかさが気になる」と明かす。

 歩幅を広げて解決を図った。17日にジャイアンツ球場で行った、フリー打撃登板前のブルペン。プレートから左足を踏み込む位置までの歩数を確認し、6歩目の少し先に線を引いた。「また半歩広げようかな」。故障を繰り返した左太腿裏の負担を考え、米国では日本よりも「1歩分下げた」と明かす。半歩分戻して再び日本式に適応していく。

 この日の収穫について、上原は「マウンドが投げにくいということをつかんだ」と言った。高橋監督は「(日本の公式球を)操れていた。(勝利の方程式として)期待しています」とねぎらったが、42歳右腕は「高めに浮く球を修正したい」と先を見据えた。

 23日からの楽天3連戦(東京ドーム)で2度登板する予定。復帰戦を無事に終えたが、「開幕まで時間がない」と表情を引き締め直した。 (池田 翔太郎)

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2018年3月21日のニュース