DeNA中川大志が胸に宿す心残り 星野氏にお礼を言えないまま…

[ 2018年3月16日 11:35 ]

DeNA・中川大
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 今季からDeNAに新加入した中川大志が、生き残りを懸けてアピールを続けている。右の長距離砲と期待されながら、昨オフに楽天を戦力外となった。新天地は主に右の代打として開幕1軍の枠を狙っており、ラミレス監督も「彼は一生懸命練習をする。1軍は近づいている」と評価している。

 心残りがある。楽天から戦力外を通告された直後に、当時の星野仙一球団副会長に電話をかけた。「知らない番号だったと思うので、出てもらえなくて。その後はお会いする機会もなくて…」。星野氏は1月に急逝。報道で知った中川大は「直接お話をさせてもらえず、お礼も言えないままになってしまった」と後悔を口にする。

 星野氏が監督時代に怒られたことは、今となっては良い思い出だ。「本当に熱い人でした。一生懸命やってミスをしても怒られないけど、気持ちの抜けたプレーには本当に厳しかった。学ばせてもらうことが多かったです」。監督退任後も、星野氏から頻繁に声をかけてもらったという。「元気でやってるか?」「ここで頑張らんとあかんぞ!」。闘将の言葉のひとつひとつが、中川大の気持ちを奮い立たせてくれた。

 「星野さんと同じユニホームを着て野球を出来たことは、自分の野球人生にとってすごく大きな経験です」

 楽天を去ることになったが、幸いにもDeNAで再スタートをきることができた。「チャンスをいただいたので、やるしかない。精一杯やって結果を出して、星野さんに恩返しができれば」。かつて恩師から学んだ「星野イズム」を胸に、新天地で必ず花を咲かせる決意だ。(記者コラム・重光晋太郎)

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2018年3月16日のニュース