楽天・岸 初めて3・11投げた 仙台に恩返し誓うFA移籍2年目の快投

[ 2018年3月12日 05:30 ]

オープン戦   楽天3―0中日 ( 2018年3月11日    倉敷 )

<楽・中>4回2安打無失点、4奪三振の快投を見せた岸
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 東北魂―――。楽天・岸孝之投手(33)が東日本大震災からちょうど7年となった11日、中日とのオープン戦に先発し、4回2安打無失点、4奪三振と快投を見せた。16年オフ、西武から地元・仙台への恩返しを誓ってFA移籍。東北のファンの声援に応え、13年以来となる日本一を目指す。また、各球団は試合前に黙とうをささげ、犠牲者や被災者を思ってプレーした。

 仙台市出身で名取北と東北学院大で白球を追いかけてきた岸にとって特別な日だった。故郷を襲った悲劇から7年。初めて3・11をマウンドで過ごした。

 「僕も東北、宮城の出身。まずは野球でしっかりといいところを見せられたら」

 今季初のオープン戦登板で、4回2安打無失点。4回1死一、三塁のピンチもアルモンテに外角チェンジアップを引っかけさせ、二ゴロ併殺に打ち取った。「前回に比べれば、かなり良かった」。1日のロッテとの練習試合では3回4失点。「思ったところに球がいかなかった」と嘆いたが中9日で修正した。

 キャンプでの取り組みが生きた。ブルペンでは「10球連続でストライクを取るまで終われない」など、佐藤投手コーチから課題を出された。重圧を受けた場面を想定した。この日は直球狙いの打者に変化球を多投。空振り三振の3個は全てカーブで奪った。「全球種でストライクが取れた。やってきたことを出せた」と振り返った。

 故郷への思いが強いからこそ、苦しい練習も取り組める。「地元に恩返しがしたい」と16年オフにFA移籍で西武から故郷に戻った。昨季は8勝。楽天生命パークで1勝しか挙げられなかったが、今季は東北のファンを喜ばせようとキャンプを過ごしてきた。

 試合前、梨田監督が「(東北のファンに)しっかりとした野球を見せよう」とナインに訓示。右腕も「この感じを続けていけたら」と投球で応えた。本拠地開幕となる4月3日の日本ハム戦(楽天生命パーク)先発が内定。東北に5年ぶりの歓喜をもたらすために、岸はマウンドに上がる。 (黒野 有仁)

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