イチロー 開幕スタメン構想に男気3の3「それには応えたい」

[ 2018年3月11日 05:30 ]

ライブBPの打席を待つ間に笑顔を見せるイチロー(左)
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 男気に火がついた。マリナーズに6年ぶりに復帰したイチロー外野手(44)は9日(日本時間10日)、「ライブBP」と呼ばれる実戦形式のフリー打撃に臨んだ。キャンプ合流2日目ながら、二塁打性の打球2本を放つなど、3打数3安打と早くも全開をアピール。開幕から正左翼手として起用するチーム方針を意気に感じ、その思いも口にした。

 練習後のクラブハウス。グラブを磨いていたイチローが目を丸くした。「えー、そうなんですか!それ僕、知らないっす」。8日にジェリー・ディポトGMが球団公式サイトの取材に「球団の象徴をベンチに座らせておくつもりはない」と、開幕レギュラーの構想を明かした。これを伝え聞いた時の反応だった。

 スコット・サービス監督は地元ラジオ局に9番イチロー、1番ゴードンの起用プランも披露している。普段はクールな44歳の言葉にも力がこもった。「それは心意気みたいなところ。当たり前ですけど、それには応えたい。そういう種類の期待はここ数年なかったですからね」。開幕スタメンとなれば13年ヤンキース時代以来5年ぶりとなる。

 29日(日本時間30日)の開幕インディアンス戦へ、3週間を切っての合流にもかかわらず「ライブBP」では調整遅れを感じさせなかった。昨季69試合に登板し、リーグ2位の29ホールドを記録した中継ぎ右腕ビンセントと3打席対戦。いきなり左中間へ鋭い打球を飛ばすと、次は右中間へ運んだ。コーチ陣から「今のは右中間二塁打だ!」と声も上がった。そして最後は中前へ。イチローらしく三方向へ打ち分けた。

 11日(日本時間12日)のレッズとのオープン戦に出場予定だ。練習前に話し合いを持ったサービス監督は「彼はシンプルにチームの勝利に貢献したいだけ。毎日3安打しなくても、相手投手や盗塁、守備などについて助言をしてくれれば」と目を細める。

 10月で45歳となるメジャー18年目は、レギュラーとして期待されている。「ここ数年と、ある意味違う?」との報道陣の問いに、イチローは「ある意味じゃないでしょ。全然違うでしょ」と表情を引き締めていた。(ピオリア・笹田 幸嗣通信員)

 ▽イチローの開幕スタメン構想 ディポトGMが8日、球団公式サイトのインタビューに「球団の象徴をベンチに座らせておくつもりはない。彼の能力に見合った機会を与える」と開幕から正左翼手として起用する方針を明かした。正左翼手のギャメルが右脇腹挫傷のため戦列復帰が5月以降となる見通し。この間イチローは週に4〜6試合、先発するという。

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