藤浪、復活へまた一歩 3回完全6K「シーズンに近い投球できた」

[ 2018年3月7日 07:58 ]

オープン戦   阪神3―5DeNA ( 2018年3月6日    甲子園 )

力投する藤浪
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 阪神・藤浪は6日、甲子園での今季初実戦となったDeNAとのオープン戦に先発し完全復活に向け光を灯した。力強く腕をしならせ、打者を力でねじ伏せていく。大阪桐蔭時代から慣れ親しんだ甲子園で躍動し、完全復活に向け、また大きく前進した。

 「フォーク、スライダー、カットボール、ストレート。いろんな球種を使って投げられましたし、シーズンに近い配球、投球ができました」

 初回、先頭の桑原を直球で追い込み3球勝負を挑んでフォークで空振り三振。昨年まで同僚だった大和も二ゴロに仕留め、筒香も外角低めへの151キロ直球で見逃し三振。侍ジャパンの4番も手の出ない剛球を投げ込み10球で3人を料理した。

 完璧な立ち上がりで勢いづくと、2回もロペスをカットボール、ソトをフォークで空を切らせて三振を奪った。3回も1死から高城、倉本を連続三振に斬り3回完全。9アウト中、6個を三振で奪う「ドクターK」ぶりで仁王立ちした。

 「(3回まで)あれぐらいすんなり入れれば、良い形で試合にも入っていける。ゲームの流れとしても良い感じでいける。今後もああいう感じで投げられるように努力したい」

 4回1死から与えた大和の死球を機に一、二塁とされロペスにシュート回転で中に入った速球を左翼席へ運ばれ先制点を献上。「甘かったですし(外角要求の)逆球で、完全な失投」と猛省したが、最速152キロを計測した直球、カットボールと軸になる球種以外に、握りなどを試行錯誤してきたフォークでも3奪三振。進化した姿も見せつけ4月4日からの2連戦で再戦する可能性が高い相手に“残像”を刻んだ。

 3ボールは一度だけで制球難に陥り自滅する姿はなく、オフから取り組む体幹を意識したフォームで安定感は際立った。金本監督は「(直球の)ガン(の数値)は出ていなかったけど、捕手に聞いたら、強い球が来ていたと。(ローテーション確定は)どうやろな(笑)。他の投手との兼ね合いもある」と明言こそ避けたが、開幕4番手へ限りなく近づいたはずだ。

 「オフシーズン、キャンプ中とやってきたことがつながってきている。改善するところもいっぱいあるので、その辺をしっかりやっていけば」

 もう心配はいらない――。誰もがそう思える、確かな手応えがにじむ56球だった。(遠藤 礼)

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2018年3月7日のニュース