侍J稲葉監督 星野さんに弔い星を 「東京五輪で金メダル」への初陣

[ 2018年3月3日 05:30 ]

侍ジャパンシリーズ   日本―オーストラリア ( 2018年3月3日    ナゴヤドーム )

打撃投手を務める稲葉監督
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 侍ジャパンがオーストラリア代表と強化試合を行う侍ジャパンシリーズが3日、ナゴヤドームで始まる。2020年東京五輪の金メダルを目指す稲葉篤紀監督(45)にとって、トップチームとしての初陣。試合前にはダブルヘッダーで中日―楽天のオープン戦も組まれ、1月に急逝した星野仙一氏の追悼式典も行われる。08年北京五輪で監督と選手の間柄だった恩師に白星をささげることを誓った。

 2020年東京五輪金メダルへの道は、この一戦から始まる。何度もそう繰り返してきた稲葉監督は、初陣での必勝を強調した。

 「東京五輪で金メダルを獲り、星野監督に“獲りました”と報告がしっかりできるように。今回は初戦。いい勝ち方、いいスタートが切れるよう、いい報告ができるよう戦う」

 特別な一戦になる。試合前には星野氏の追悼試合が組まれ、献花台も置かれる。08年北京五輪、金メダルを目指した星野監督の下での戦いは、今でも胸に強く刻まれている。

 「(4位で)メダルを獲れなくて、星野監督を男にできなかった。あの悔しさは今も残っています」。その大会以来の五輪野球が東京で復活し、昨年7月に指揮官を託された。「本当だったらもっといろんな話を聞きたかった。それがこういうことになってしまって…」。突然の訃報に言葉を失い、10年前に2人でつかめなかった金メダルを届けるこが使命となった。

 初のトップチームは昨年WBCメンバーの筒香、菊池、秋山らに、2年半後を見据えた若手も交えた。「日本のパワーとスピード。その2つをしっかりみせたい」。初フル代表の若手も多く「日の丸を背負う重圧、緊張感の中で自分のプレーをどのようにできるか。そこを見たい」と結果だけでなく、内容にも目を凝らして今後の選考基準とする考えだ。

 「星野監督は金メダル以外はいらないとおっしゃっていた」

 平昌五輪での数々の金メダル獲得に刺激をもらい、改めてその難しさと、国民に与えるパワーを実感した。単ならメダルではなく、「金」でこそ。東京での頂点へつながる道への第一歩は、故郷の愛知県で。天から必ず星野さんも見てくれている。

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