阪神・梅野“一本締め” キャンプ最後の実戦で新フォーム1号

[ 2018年2月28日 05:30 ]

紅白戦の3回無死、梅野が左越えソロを放つ
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 阪神・梅野隆太郎捕手(26)が宜野座キャンプ最終クール4日目の27日、紅白戦で待望の今春1号を左翼席へ打ち込んだ。左越え二塁打を合わせて長打2本。坂本、原口、長坂らとの激しい正捕手争いの中、今春キャンプ最後の実戦で“一本締め”という最高のアピールに成功し、勝負の3月へ弾みをつけた。

 捕手として2点を先制された直後の3回裏だ。梅野は先頭打者として高橋聡と対峙(たいじ)し、初球の真ん中高め直球を逃さずに捉えた。大きな弧を描いた打球が落ちたのは文句なしの左翼席だ。

 「これまで実戦では思い通りにいかないことが多かったけど、今日は3打席の中で出せた。結果もそうですが、やってきたことを出せたのが一番」

 最後の紅白戦に至るまで過去6度の実戦では8打数1安打。第3クール中には左手首痛で別メニュー調整になった時期もあり、やっと出た理想の打球に思わず笑みがこぼれた。高橋聡は昨季61試合に投げて被弾はわずか1本だけ。調整段階ということを考慮しても価値は大きく、十分に存在感を示した。

 4回は2死二、三塁から四球を選んで好機拡大。6回はドラフト1位・馬場のスライダーを捉えて左越えの二塁打になった。2月の終わりを迎えても誰が勝ち残るのか分からない猛虎の正捕手争い。「第1ラウンド」と言える春季キャンプを最高の結果で締めた。

 オフから巨人・坂本勇の「間」を参考にした打撃フォームを描いてきた。改良点は他にもある。実戦を重ねていくたびに「速い真っすぐに対応できない」と気づき、トップの作り方を変えた。前から後ろに引く動作を省いて構えの段階からトップを完成させた打法。「顔を動かさないように」と改良に改良を重ねた形で結果に結び付けた。

 片岡ヘッド兼打撃コーチから「ホームランもそうやけど、その後の四球もよかった。最後のレフト線も、ようやくキャッチャーらしいヒットが出た」と評価され、本人も「練習だけじゃなく、実戦が自分のためになる」と大きな手応えをつかんだ。

 28日にキャンプは打ち上げ。新選手会長として手締めのあいさつを控え、先にバットで豪快に締めの一発を描いた。正妻争いは3月のオープン戦が本番だ。「ゲームの中で少しずつやりたいことができている。これから一球一球を大事に練習していきます」。女房役の捕手らしく、打撃には浮かれず、“まだまだ”と言わんばかりに表情を引き締めた。 (巻木 周平)

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