ロッテ大隣、ギータ&内川斬り!古巣に感謝と意地の2回無安打

[ 2018年2月28日 05:41 ]

練習試合   ロッテ2―1ソフトバンク ( 2018年2月27日    アイビー )

4回無死、柳田(右)を右飛に打ち取った大隣
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 ロッテにテスト入団した大隣憲司投手(33)が27日、古巣・ソフトバンクとの練習試合(アイビー)で対外試合デビューを果たし、2回無安打無失点と好投した。昨オフに戦力外通告を受け、沖縄・石垣島キャンプにテスト参加。16日に正式契約をもらったばかりの苦労人が、かつての盟友を相手に新たな一歩を踏み出した。

 感謝と意地をこめて大隣は腕を振った。2番手で登板し3回は3者凡退。4回は柳田を132キロ直球で詰まらせて中飛に打ち取り、石垣島キャンプのテスト参加前日に「明日から頑張れ」と電話をくれた内川も135キロ直球で遊ゴロに仕留めた。中村晃には四球を与えたが、2回無安打無失点と会心の内容だ。

 「0点で抑えられた。それが一番。不安もあったけど低めにもコントロールができた」

 古巣相手の対外デビュー戦に「言われたときはマジか、と思った」という。慣れ親しんだ宮崎のキャンプ地。スタンドからも拍手で迎えられ、「違うユニホームを着ているのが不思議な感覚だった」と笑った。

 06年希望入団枠でソフトバンク入り。12年に自己最多12勝を記録したが、順風満帆ではなかった。持病の腰痛は国指定の難病「黄色じん帯骨化症」と診断され、昨オフに戦力外通告。12球団トライアウトでも声はかからなかったが、騎手・武豊が所有する京都府内のジムで武豊、ルメールらに交じって胸郭の可動域を出すトレーニングに励んだ。そしてロッテの入団テストに最後の望みをかけ、今月16日に正式契約と背番号「55」を勝ち取った。

 この日の最速は138キロだが、井口監督は「スピードは昔ほどじゃないけど、打ち取る技術を持っている。左が1枚入ると大きい」と開幕ローテーションの候補に挙げた。昨季までの盟友斬り。大隣は「シーズンでは長打になる球もあった。でも楽しみは増える」と前を向いた。紆余(うよ)曲折の野球人生。その第2幕が始まった。 (君島 圭介)

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2018年2月28日のニュース