明大・森下 故障乗り越え迎える春 プロに進んだオコエらに負けない活躍を

[ 2018年2月16日 10:32 ]

今年こそエースに。復活に懸ける明大森下暢
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 プロ野球のキャンプ地から楽天・オコエ、中日・小笠原らの成長したニュースが届く。3年前、U18高校日本代表のチームメートでもある明大・森下暢仁(まさと)投手は静かに4月の東京六大学野球開幕に合わせ調整を続けている。

 昨年は飛躍の年になるはずだった。春季リーグで2勝を挙げ高校以来となる日の丸をつけた。2年生ながら学生日本代表侍JAPANとして日米大学野球(米国、7月)、ユニバーシアード(台湾、8月)で活躍。ユニバでは決勝の米国戦で先発、7回を2安打、11奪三振で零封し優勝に貢献した。同代表の監督で明大の善波達也監督は秋にエースとして期待を寄せていた。

 ところが台湾から戻ると右肩に違和感を覚えた。「投げられるので大丈夫です」と話していたが秋季リーグ戦の開幕、9月10日の早大2回戦に先発して3失点で負け投手になると、その後ベンチから森下の姿が消えた。

 あれから5カ月。原因は肩の「関節唇」の炎症だった。ボールを握ることなく下半身、体幹強化に努めてきた。「こんなに長い間ノースローだったのは初めて」という長期離脱だった。昔の明大なら、多少肩に疲れがあっても鹿取(現巨人GM)のように毎試合登板していただろう。だが森下の将来を考えての善波監督の判断でもあった。その間、自身の投球を見つめ直し、4月の開幕戦まで復活ロードを考えた。

 「(今月)20日から沼津キャンプに投球できるよう立ち投げを始め、来月のアメリカ遠征(8日から)で取り戻したいと思っています。初回からすべて全力で投げるというよりメリハリをつけた投球スタイルでいきたい」

 斉藤(西武)水野(ヤマハ)と左右の両輪が抜けリーグ戦で白星があるのは新4年の高橋裕也(2勝)と2人だけ。今年3年生となり「経験はぼくが一番しているので中心になりたいとは思っています」と自覚も出てきた。

 先日、西武の渡辺久信シニアディレクターと話した際、森下の話題になった。「高校のときに練習試合を見に(大分まで)行ったよ。抜群だったよ。プロ志望届を出していたら間違いなく指名されていたね」と素材の高さを口にした。当時、地元九州のソフトバンクが1位指名を検討していたほど。しかし森下は「進学してよかったと思っています。いろんな経験もできたし故障もしましたから」と明るく話した。

 1メートル80に74キロのスリムな体に活躍したら人気が出そうな爽やかなマスク。5カ月間、マウンドに立てなかったことで逆に精神面も強くなった。もちろん2年後のプロ入りを視野に入れる。監督の“思い”もわかっている。だからこそプロに進んだ同期たちに負けるわけにはいかない。(落合 紳哉)

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2018年2月16日のニュース