肩は消耗品に逆行?巨人・野上 恒例396球 理想のフォームを体で覚える

[ 2018年2月13日 08:50 ]

巨人紅白戦   白組4―10紅組 ( 2018年2月12日    サンマリン宮崎 )

一人ブルペンで投げ込む野上
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 「肩は消耗品」という観点から、最近はキャンプで100球、200球を超える投げ込みを行う投手は少なくなってきた。西武から新加入した巨人・野上亮磨投手(30)は12日、実戦初登板となった紅白戦を含めて計396球を投げ込んだ。体を限界まで追い込むことで、新たな感覚が生まれるという。昨季11勝をマークした右腕の独自の調整法に迫った。

 午後1時34分に移籍後初登板を終えた野上は、駆け足でブルペンに向かった。1時53分に捕手を座らせて投球開始。岡本に中前適時打を浴びるなど、2失点した課題を修正するための投球かと思いきや、1時間が経過しても終わらない。

 午後3時30分。300球目に「ラスト!!」と宣言し、伸びのある直球を投げ込むと観衆から拍手も湧いた。試合前に約70球。実戦で26球。約400球を投げ込んだのには、明確な理由がある。

 追い込むことで体力をつける。「トレーニングを兼ねて、一度体を疲れさせて、もう一度調子を上げていきたい」。西武時代の11年、同僚だった牧田(現パドレス)と「意地の張り合い」でそろって300球超えの投げ合いを行った。これが独自調整法の始まりだ。

 疲れることで余分な力が抜け、理想的なフォームも身に付く。「ランナーズハイ」ならぬ「ピッチャーズハイ」の状態だ。233球目からは全て直球。「150球目くらいが一番きついけど、それを超えたら楽して投げられる。200球を超えて新しい感覚が出てくる。最後の10球は良かった」と振り返る。

 球数が増える試合終盤での投球感覚も養える。「試合で一番しんどい時、こう投げればこういうボールがいく、というイメージができる」。恒例の投げ込みが完了し、体づくりにめどが立った。15日からは沖縄での2次キャンプが始まる。「打者を意識して、配球の中でフォームがずれずに投げたい」と、ここから実戦モードに入っていく。(池田 翔太郎)

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