中日もう1人の「球界最年長」は75歳 「あと10年は野球に携わりたい」

[ 2018年2月13日 11:10 ]

ノックバットを手に笑みを浮かべる松岡育成コーチ
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 「球界最年長」―。この言葉を聞いて誰もが真っ先に名前を浮かべるのは中日・岩瀬仁紀投手だろう。現役最年長、今季44歳を迎える左腕は前人未踏の1000試合登板も射程圏内に捉えている。

 実は中日にはもう1人の「球界最年長」がいる。今月9日、75歳になった松岡功祐育成コーチは球界最年長コーチである。

 2軍キャンプが行われている沖縄・読谷では10代の石垣や高松ら孫ほど年の離れた選手たちに元気にノックを浴びせ「毎日、少しずつ上手くなっていく。その姿、成長を見られるのが嬉しい」と目尻を下げる。

 松岡コーチは選手としては九州学院、明大、サッポロビールを経て1966年ドラフト1位で大洋に入団し内野手として活躍。現役引退後はコーチやスカウトとして球界に多くの選手を送り出した。母校・明大野球部のコーチを経て15年から中日の育成コーチに就任した。

 コーチは選手を指導するため、1日中グラウンドに立っていなければならない。さらに、立っているだけでなくノックを打ったり、トスを上げたりと体力が必要になる。

 松岡コーチはキャンプイン後も名古屋での生活と変わらず毎朝5時40分に起床。ストレッチやウェートトレーニング、散歩を欠かさず行い、8時30分には選手とともにグラウンド入りする。「体重は10年以上、変わってないかな」と70歳を過ぎても80キロをキープ。元気の秘訣は「1日1日を区切ること。今日頑張れたら、明日も頑張れる。先のことを考えないことが大事」と毎日を大切に過ごすことだという。

 選手寮「昇竜館」の館長も兼ね、シーズン中は選手たちと一緒に寮生活を送っている松岡コーチ。やりがいを尋ねると「成長を見守れるのが一番楽しい。一緒に生活していた選手が寮を出て、活躍してくれると嬉しいね」と頬を緩める。

 75歳は「後期高齢者」としてそれまで加入していた国民健康保険や健康保険組合などの医療保険からはずれ、新たな医療制度に加入する歳。隠居生活を楽しんでもいいはず。それでも「あと10年は野球に携わりたい。1年でも長く頑張りたい」と意欲を口にする。いくつになっても野球への情熱は変わらず、エネルギーに満ちあふれている。 (記者コラム・徳原 麗奈)

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2018年2月13日のニュース