阪神ロサリオ、驚異の170M弾!防護ネット飛び越えあわや車直撃

[ 2018年2月9日 05:30 ]

フリー打撃で特大弾を放つロサリオ
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 阪神の新外国人、ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国・ハンファ)が宜野座キャンプ第2クール最終日の8日、フリー打撃で推定飛距離170メートルの驚弾を放った。左翼場外へ飛び出し、通行中の車に直撃寸前の特大弾。高さ14メートルの防護ネットを越える“K点越え”で、03年に始まった宜野座キャンプの“最長不倒距離”を記録した。

 フリー打撃の最後の55スイング目。ロサリオが少し力を込めてバットを振り抜くと、大飛球が左翼上空へ伸びた。防護ネットを越える場外弾。あわや道路を走行中だった車に直撃するところだった。

 両翼98メートルの「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」には奥行き約20メートルの左翼芝生席があり、防護ネットは高さ14メートル。それらを越えた飛距離は170メートルと推定される。関係者は「あそこまで飛んだ打球は見たことがない」と証言し、宜野座キャンプ史上最も大きな一撃と言っていい。

 「あくまでも打撃練習なんで。試合でも打てるようにしたい。コンタクトすることだけを心がけていた。今日は風が助けてくれた」

 こともなげに振り返っても周囲は驚きを隠せない。超人と称される糸井でさえ報道陣から伝え聞き、絶句した。「ビッグパワー!あれ(防護ネット)を越えたらヤバいやろ…」。場外弾以外にも13発を数え、“被害者”もいた。木戸克彦球団本部部長が「当たったよ」と左翼席で撮影中だったカメラマンに直撃した様を目撃。避けるいとまがなく、幸い大事に至らなかった。

 お膳立てしたのは金本監督だ。数日前から宿舎の硬いマットレスが体に合わず、不眠を訴えていたロサリオに愛用するファイテン社の高級マットレスを差し入れ。前夜に自ら部屋まで運んだ。チタンが含まれ、クッション性にも優れた特別仕様。練習前に「昨日、眠れたから見ておいてくれ」と感謝され、しかも“予告通り”の特大弾に目を丸くした。

 「本当にいいスイング。ちょっとビックリしましたね。力任せではなく打球が上品な上がり方をする。キレイに上がって落ちない。うまくスピンも掛かっているんじゃないか」

 第2クールを終えたにすぎず「(体の切れは)まだ上がると思うよ」と期待は膨らむばかりだ。球団と宜野座村の関係者はネット増設など対応策を協議。今後は打撃練習時だけでなく練習開始から終了まで左翼後方の道路を車両通行禁止にする措置を決めた。異例の“道路封鎖”のきっかけともなり、南国からロサリオの話題が尽きない。(山本 浩之)

 ▽阪神、宜野座キャンプの主な特大弾

 ★140メートル 糸井はFA移籍した17年2月17日、フリー打撃での弾丸ライナーが右翼後方の「歓迎阪神タイガース」の垂れ幕を直撃。

 ★145メートル マートンは新加入の10年2月2日の打撃練習で、中堅スコアボード左の松の木を直撃。巧打の触れ込みを覆す豪快アーチ。

 ★150メートル 桜井が04年2月2日、左翼席後方の防球ネットを越える場外弾。同日キンケードが打った左翼145メートル弾を上回った。

 ★160メートル ゴメスは3年目の16年2月9日、ランチ特打での1発が左翼場外へ。ボールは歓迎門近くの売店「パーラーぎのざ」前で発見。(飛距離は推定)

 ▽本塁打の飛距離 プロ野球記録はカブレラ(西)が05年6月3日にインボイス西武(現メットライフドーム)で打った左翼天井直撃の認定弾で推定180メートル。日本人最長は1953年8月29日、中西太(西鉄)が平和台で打った中堅スコアボード越えの161メートル弾とされる。また、ギネスブックに掲載された記録では60年ミッキー・マントル(ヤンキース)の643フィート(約196メートル)がある。

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2018年2月9日のニュース