関本氏直撃!阪神・大山 打点に執念「試合に直結する。こだわっていきたい」

[ 2018年2月6日 09:30 ]

背番号「3」の後継者・大山(右)に関本賢太郎氏が直撃
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 スポニチ本紙評論家陣による阪神キャンプ直撃インタビューの2018年第1弾は、関本賢太郎氏が2年目・大山悠輔内野手(23)の本音に迫りました。打点に強くこだわり、二塁挑戦への意気込みも引き出しました。さらに背番号3の先輩は、同じ右打ちの大砲候補、中谷将大外野手(25)へのライバル心にも切り込みました。

 関本 今年のキャンプでトライしようと思っていることは。

 大山 集中力はすごく大切だと感じました。昨年のクライマックス・シリーズでの雨の日の試合(※1)とかは、グラウンド状況もすごく悪くて、その分、すごく集中していましたし内容も良かった。1試合の集中力の持続は、すごく大切だと感じました。

 関本 練習を見ていると、1日で1000スイングは超えている。室内で打っているときも集中力を切らさずに、良いポイントで、良いスイングで、再現性の高いスイングだった。どんなことを意識している?

 大山 最初は振れる状態なので、自分の思ったスイングができるのですが、最後の方になってくると疲れて、集中力が切れてしまうと感じたので、長い時間ではなく、1球1球をすごく意識してやるようにはしています。

 関本 去年よりも今のスイングのすごみを感じている。自分としては変化は感じる?

 大山 去年と比べると手応えはありますけど、打撃練習にしてもミスショットがすごく多いというのは感じます。ミスショットはなくしていきたいと思っています。

 関本 打者としての今季目標、2年目の位置づけは。

 大山 試合に直結する成績は打点だと思う。打点にはこだわっていきたいと思いますし、まずは規定打席。1軍に1年間いられるようにしたいです。

 関本 個人的に気になっているのが、同じ右打者の中谷を意識しているかということなんだけど。

 大山 意識というか、今は学ぶことがすごく多いです。フルスイングしても崩れない。あれだけ強く振っても崩れない体の強さであったり、体の使い方というのは、やっぱりすごいなと思います。自分があれだけスイングしたら、絶対に崩れてしまうことが多い。体の使い方もあると思うので、参考にさせてもらっている部分も多いです。

 関本 中谷選手に負けたくないことをしいて挙げるなら本塁打、打点、打率、それとも打順?

 大山 挙げるなら打点ですかね。

 関本 こだわりがありそうだね。

 大山 打点にはすごいこだわっていきたい、というのはあります。

 関本 打点を競うのはチーム力に直結すると思うから、良いことだと思う。それと、今年の大山選手のターニングポイントは二塁転向。アマチュア時代に経験は?

 大山 ないです。高校1年生のときに少しやっただけで、本格的にやるのは初めてです。

 関本 現状の手応えは。

 大山 最初に比べたら少しずつできてきましたが、それでも『シーズンどうだ』と言われたら、まだまだだと思う。

 関本 去年は三塁、一塁、外野もあった。今年は二塁1本なのかなと周りは想像するけど、二塁以外も準備はするの?

 大山 もちろん準備はしておくべきだと思いますが、今は二塁で勝負するぞ、と思っています。

 関本 ライバルも多い。

 大山 試合に出ることが一番なので、(争いは)激しいですけど、競争に勝っていかないと生き残れない世界なので、しっかり覚悟を持ってやらないといけないです。

 関本 レギュラーを奪うために、どこでアピールするか。

 大山 1番は打撃だと思う。そこで負けてはいけないと思います。その中で守備でも1番とはいかなくても、しっかりこなせるように。肩も自信はあるので、ゲッツーであったり、求められている部分はしっかりやりたい。

 関本 プロ1年目、率直に振り返ってどうだった?

 大山 大変だな。難しい一年だったな、と感じました。

 関本 プロの投手の印象は。

 大山 やっぱり1球、1球の大切さ。1球ミスショットするだけで、打席が終わってしまう。アマチュア時代はファウルを打っても、まだ甘い球が何球か来ていたんですが、プロはそれがない。1球をとらえる大切さを特に感じました。

 関本 打撃成績の自己評価は。

 大山 数字的には全然です。納得はしていないですし、打点にしても、もっともっと取れたと思います。打率も2割3分ちょっとで低く、もっと積み重ねられるところはあると思いました。

 関本 シーズンが始まる前に目標設定したの?

 大山 全然、想像もできなかったので、数字は分からずにやっていました。

 関本 大山選手の自己評価と周りからの評価は違うんだよね。勝負強さもあり、4番も打って、打撃では貢献した印象があるんだけど。

 大山 良いときはよかったけど、9月です。4番を打たせてもらってから、全然打てていないので、1年通して好不調の波を少なくしたいと思いました(※2)。

 関本 ところで、4番を打ったときは、どんな状況で告げられたの?

 大山 若手は朝、練習前に早出で振るんですが、その時に金本監督に『4番でいくぞ』と言われて。最初は冗談かなと思ったんですが、その後の全体練習でだいたい、その日の打順を言われるのですが、その時もまた『4番で』と言われたので、そこで一気に緊張感が出てきました。

 関本 1年目で4番を打つと想像していた?

 大山 全然、想像していなかったです。

 関本 うれしかった?それともビックリした?

 大山 ビックリですね。試合前はすごく緊張しました。試合中は集中していたので緊張はそれほどなかったですが、試合前は、すごくフワフワしている感じはしました。

 関本 初出場でジョンソンと対戦した時(※3)と、4番のときと、どちらが緊張した?

 大山 初出場です。

 関本 あの打席は鮮明に覚えている?

 大山 覚えています。とにかく初球を振ろうと思っていて、何でもいいから振ろうと思っていたんですが、それでも手が出なくて…。その後にどうしようと思いました。2球目からは、とにかく食らいついていこうと考えていて、結果三振でしたが、10球近く粘れたというのは、自信とまではいかないけど、何とかやれたとは思いました。

 関本 初打席で沢村賞投手と対戦できたのは大きいと思う。1年間やってみて、2桁勝てる投手と、そうでない投手の差は感じたと思うし、自分の置かれている場所も分かったでしょ。

 大山 菅野さんは、カットしに行っても当たらないボールがありました。すごさを感じましたし、そういう投手に食らいついていかないといけない世界。目指すべき所は見えてきたかな、と感じました。

 関本 今年、目標はずばり。

 大山 チームとしては優勝は変わらない。貢献するために個人的には1年間1軍で登録されて、全試合出場して、貢献したいなと思います。規定打席というのもありますが、まずは1年間いられるように練習したいなと思います。

 関本 二塁で何番を打ちたい、という希望は。

 大山 正直、今は打順よりも本当に試合に出たい気持ちが強いです。

 関本 自分の将来像とか考えたりする?

 大山 将来のことは考えている余裕がないですね。とにかく今年、勝負だと思う。今年がダメだったら、ずるずるいってしまうと思う。将来というよりは、本当にこの1年だと思っています。

 【注釈】

(※1)17年10月15日のDeNA戦は試合前から雨が降り続き、甲子園のグラウンド整備に定評のある阪神園芸でも手を焼くほどだったが、63分遅れで試合開始。大山は5番一塁で先発し、3回のソロを含む5打数4安打3打点だった。

 (※2)9月1日中日戦でドラフト制以降の球団新人では初となる先発4番に座った。9、10月は25試合で79打数15安打、打率・190と低迷。

 (※3)6月23日広島戦、1―5の5回無死一塁にメッセンジャーの代打として出場。初球のカットボールは見逃したが、2球目の同じ球をファウル。最後は10球目の外角低めチェンジアップに空振り三振に倒れた。

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