ロッテ井口監督 足で史上最大の下克上を 昨季借金33からのV宣言

[ 2018年2月1日 05:30 ]

児童養護施設「ならさ」を訪問した井口監督
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 プロ野球は1日、日本ハムを除く11球団がキャンプインを迎える。ロッテ・井口資仁監督(43)は31日、キャンプ地の沖縄・石垣島の児童養護施設を訪れ、リーグ優勝を宣言。前年最下位からの頂点となれば8度目だが、借金33からは史上最大の下克上となる。ミーティングでは今季140盗塁を厳命。初日から実戦形式を取り入れ、走塁革命を誓った。

 毎年訪れている児童養護施設「ならさ」の子供たちから「今年は優勝すると約束してくれますか?」と厳しい質問が飛んだ。昨季は54勝87敗2分けの最下位。一瞬、苦笑いを浮かべ、井口監督は真顔になった。

 「まずはパ・リーグの優勝を目指し、明日(1日)からビシバシ練習させますので、優勝すると思います」

 前年最下位からリーグ優勝した例は15年ヤクルトなど過去7球団あるが、昨年のロッテは借金33。過去最大借金は50年松竹、76年巨人の29だけに今季頂点に立てば、史上最大の下克上となる。

 秋季キャンプでは年間120盗塁を掲げた「走塁革命」だが、石垣市内の宿舎で行ったミーティングでは「140盗塁しよう」と上方修正。昨季78盗塁だが、ポテンシャルを秘めた選手は多い。荻野は「成功率100%でやりたい」と50盗塁を目指し、中村も「(30本塁打、30盗塁に)チャレンジしたい」と目標を掲げる。加藤、岡田、ドラフト2位・藤岡裕(トヨタ自動車)も俊足だ。ただ、指揮官は「それ(140盗塁)は最低ライン。180個やってほしいね」とさらに貪欲だ。

 この日はあいにくの大雨。1日からは12球団最速の「実戦形式」となるシート打撃が行われる。雨天も予想されるが「練習、紅白戦、オープン戦と(積極的に)行ってグリーンライトの権利を勝ち取ってほしい」。走者の判断でスタートを切れる権利は、1軍残留切符にもなる。

 島田誠臨時走塁コーチも合流。選手の前で「1週間に1個で(年間)20盗塁以上。くすぶっていた井口監督が、いかに盗塁で目覚めたか。ああいう素晴らしい選手になれる」と熱弁した。01年ダイエー時代の井口監督も「週1盗塁」を目標設定し、44盗塁で初タイトル。盗塁のために投手の配球を読むことで30本塁打も達成した。

 「1、2軍の枠も撤廃したし、野手も投手も見たい。明日は全ての場所を回りたい」。99、03年ダイエー、10年ロッテで3度の日本一、05年はホワイトソックス、08年フィリーズと2度の世界一を経験した新監督は、チームスローガンの「マクレ」ならぬ「ハシレ」で頂点を狙っている。 (福浦 健太郎)

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