スーツケースに父からの色紙 ハムドラ2西村 プロ入りは“夢の途中”

[ 2018年1月25日 09:30 ]

18年版球界新士録=日本ハムドラフト2位・西村天裕投手(24)

ブルペン投球する西村
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 1、2軍キャンプの振り分けが発表された17日。2軍スタートが決まった日本ハムドラフト2位、154キロ右腕・西村は「ちょっとショックです」とぼそっとこぼした。新人7人の中で唯一の社会人野球出身ということもあり、1軍入りが期待されていた。ただ、挫折からはい上がった経験があるからこそ、すぐさま「まだまだこれからですから」と続け、明るく笑った。

 今も脳裏に刻まれる「10・3」。帝京大時代の15年。10月22日に行われたドラフト会議の19日前だった。エースとして先発した首都大学リーグ・桜美林大戦。佐々木千隼(現ロッテ)と投げ合っている試合中、ベースカバーに走った際に左膝前十字じん帯を損傷した。プロ入りは確実とみられていたが、この影響で指名は見送られた。「今でも10月3日という日付は覚えていますね」と振り返る。

 試合復帰まで10カ月を要する大ケガを負い、失意の右腕を支えたのは父・文宏さんの言葉だった。「社会人野球とかプロ野球とか、上でやれる選手は限られている。夢があるなら頑張りなさい。プロに入るだけじゃあかん。記録を残したり、優勝に貢献できるような選手にならんと」。入寮の際には父が「夢の途中〜頂点目指せ〜」と書いた色紙がサプライズでスーツケースに入れられており、決意を新たにした。

 「目標は新人王。自分がそれくらいの活躍をしたらチームの優勝に貢献できる」。球団は今後、先発、中継ぎの適性を見極めていく方針。西村は夢を追って2軍からはい上がる。 (東尾 洋樹)

 ◆西村 天裕(にしむら・たかひろ)1993年(平5)5月6日、和歌山県生まれの24歳。和歌山商では甲子園出場経験なし。帝京大ではリーグ戦通算25勝20敗を記録し、日本ハムで同僚となる上原(明大)らとともに侍ジャパン大学代表候補に選ばれた。NTT東日本では都市対抗、日本選手権に出場。1メートル77、87キロ。右投げ右打ち。

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2018年1月25日のニュース