DeNAドラ6寺田 大学再受験、バイト、独立L…26歳でつかんだ夢

[ 2018年1月22日 09:00 ]

18年版球界新士録=DeNAドラフト6位・寺田光輝投手(26)

「2年で結果を出さないと。年齢も年齢なので」と意気込む寺田
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 8日のDeNA新人合同自主トレ初日。一番の声援を浴びたのは、ドラフト6位の寺田だった。最後のメニューとなった3000メートル走で、2周遅れの最下位。ファンからは何度も「寺田ー、頑張れ!」と声が飛んだ。

 「長距離が苦手で…。悔しいけど、野球は走る競技じゃない。投げることで勝てばいい」。サイド気味のフォームから最速146キロの直球を投げ込む変則右腕は、紆余(うよ)曲折を経てプロの世界にたどり着いた。地元・三重県の進学校・伊勢高から国立の三重大教育学部に進んだが、入学から2カ月で休学。「医学部を受験し直そうと思った」。スーパーの総菜売り場と、回転寿司チェーン「スシロー」でバイトをしながら受験勉強に打ち込んでいたが、野球への思いが再燃する。志望校を筑波大に切り替えて、体育専門学部に合格した。

 地元の百五銀行から内定をもらい、卒業後は野球をやめるつもりだったが、筑波大のコーチから野球を続けるように勧められた。「迷っている時点で、自分は野球をやりたいんだ」。独立リーグのBC・石川に入団し、今季から監督に就任する元日本ハムの武田勝氏と出会った。「自分からガツガツ聞きにいった」。下半身主導のフォームを伝授されると、130キロ台だった直球の平均球速は140キロを超えた。

 入寮時に持ち込んだグラブの内側には「2016・10・20」の文字が刺しゅうされている。指名漏れした16年ドラフトの日だ。「2年で結果を出さないと。年齢も年齢なので」。回り道をした分、26歳のオールドルーキーは心身ともに強くなった。 (重光 晋太郎)

 ◆寺田 光輝(てらだ・こうき)1992年(平4)1月5日、三重県生まれの26歳。小学3年から厚生イーグルスで野球を始める。伊勢高での最高成績は3年春の県大会4強。三重大を中退して筑波大に進学。16年からBC・石川に所属し、守護神を務める。球種はカットボール、スライダー、カーブ、シンカー。50メートル走は6秒0。1メートル75、73キロ。右投げ右打ち。

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