【上原という男】槙原寛己氏 前もって聞いていた“ラストイヤー”

[ 2018年1月21日 08:30 ]

女の子に投球フォームを指導する上原
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 【槙原寛己氏が語る上原という男】つい先日、上原にテレビの収録で会った。その際に、今季がラストイヤーになるであろう彼の思いを聞かされていた。「もう一度、メジャーで投げる姿を見せてくれ。頑張れ」。上原にはそう伝えた。

 私は現役の最後の3年間、彼と一緒にプレーした。当時から反骨心が強かった。他の投手のようにブルペンで投球するように言われても、自身の調整法である遠投を黙々と繰り返す。自分の軸を持ち、それが決してぶれなかった。それによって、周囲とうまくいかない時もあったかもしれない。ただ、彼は20年間、それを貫き通した。誰も間違いだったとは言わないはずだ。

 入団当時からテンポが抜群で勢いにあふれた投球だった。近年はスピードこそ落ちたが、磨き上げられた制球力は不変。特筆すべきところは、臆せず高めに投げきれる点だ。それも打者が手を出したくなるギリギリの高さ。このコースを突くことで、低めの変化球も生きる。その絶妙なピッチングを最後にメジャーの舞台で見せつけてほしい。 (スポニチ本紙評論家)

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