“くらモン”ヤクルトドラ3蔵本 投手コーチうならせた「マイコラスみたい」

[ 2018年1月19日 05:30 ]

腕が遅れて出る独特のフォームで投球する蔵本
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 ヤクルト新人3投手が18日、戸田球場での新人合同自主トレで初のブルペン投球を行い、ドラフト3位・蔵本治孝投手(22=岡山商大)が独特なフォームからの21球で首脳陣の目を引いた。入団後に「くらモン」の愛称が付いた1メートル85、95キロの大型右腕。ブルペンの即戦力候補と目され、本家「くまモン」に負けじと名を売っていく。

 一目でクセが凄いと分かる。力感のないフォームから腕が遅れて出てくると、球筋は重く鋭く伸びた。うなずきながら蔵本を見守った1軍の田畑投手コーチが解説した。

 「腕の振りが遅いのに、ボールが強い。言い方は変かもしれないが(前巨人の)マイコラスみたい。人と違うものを持っているのはいいこと」

 昨季抑えのルーキが退団し、守護神不在の中で、高津2軍監督も背負った22番を託され入団した。ブルペンの即戦力候補と目され、1軍キャンプが内定済み。2月は15日の韓国・ハンファ戦から、18日DeNA戦、21日巨人戦と練習試合が組まれる。「状態を見極めてどこかで試せれば」と同コーチは実戦テストを示唆した。

 「久しぶりに投げたけど、思ったより衰えてなくて良かった」と蔵本。独特のフォームは「独学です。誰かのマネをしたらダメになるタイプなので」と明かす。一方で理想の球筋は上原浩治。「140キロ半ばぐらいでも空振りを奪える。回転数が多い球」を意識する。高校時代まで野手がメインで、大学から本格的に投手に専念した経歴は上原と重なる。

 恵まれた体格と名前から、熊本県が生んだくまモンとかけ「くらモン」の愛称が同期に定着した。「そういう呼び名は初めてですが、覚えてもらえるし、いいことですよね」とお気に入り。ヤクルトは昨年のファン感謝デーにくまモンが来場。つば九郎とも親交がありコラボ実現の可能性も十分だ。ゆる〜いイメージと、ギャップある凶暴な球筋。くらモンが本家顔負けの旋風を起こせるか。(後藤 茂樹)

 《蔵本 治孝(くらもと・はるたか)》

 ☆生まれ&サイズ 1995年(平7)5月16日、兵庫県生まれの22歳。1メートル85、95キロ。右投げ右打ち。契約金5000万円、年俸800万円。

 ☆球歴 天神川小2年から野球を始め、中学時代は山田哲、古野も所属したヤングリーグの兵庫伊丹でプレー。神戸国際大付では外野手として3年間ベンチ外。岡山商大で投手に転向し、4年時の大学選手権出場に貢献した。

 ☆球種 最速151キロの直球とツーシーム、カーブ、チェンジアップ、フォークを操る。

 ☆家族は阪神ファン 実家は甲子園球場から車で約20分の距離。高台にあり、夜はカクテル光線が視認できるほど。

 ☆手術 15年11月に右肘のじん帯再建手術を経験。大学3年時はリハビリに費やした。

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