レジェンド・松井稼はレオ戦士にどんな効果をもたらすか

[ 2018年1月17日 11:00 ]

ダッシュを繰り返す松井稼頭央外野手兼テクニカルコーチ
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 新年がスタートして20日足らず。移動距離は早くも3500キロに迫っている。佐賀県佐賀市、兵庫県豊岡市、静岡県下田市、愛知県豊田市、愛媛県今治市…。1月から西武担当となった。関東近辺の細かな移動を除き、取材で訪れた都市の直線距離の合計である。

 昨年は4年ぶりのAクラスとなる2位。地元・佐賀で辻監督は「“去年、2位だから今年は優勝だ”ってみんな言うけど、そんな簡単、甘いもんじゃないよ」と言った。だが、目指すは08年以来10年ぶりのリーグ優勝なのは間違いない。意気込む選手たちの取材を通じて一番、心に浮かんだのは、復帰するレジェンド・松井稼が、どんな効果をもたらすか、ということだ。

 兵庫県豊岡市の但馬ドームで少年野球大会を開催したのが栗山だ。前回、松井稼が西武でプレーしたのは03年が最後。当時、プロ2年目だった栗山は松井稼についてこう言った。「僕はそのとき本当にずっぽり2軍だったから、一緒にはプレーできていない。雲の上以上(の存在)ですよね。あいさつさせていただく程度。初めて一緒にグラウンドでプレーさせてもらうことになる。めちゃめちゃ楽しみです」。

 その栗山と同期入団の中村も、同じような感覚だという。「03年は僕は少しだけ1軍で出たけど、そんなに話はできなかった。いなくなった後に“本当に凄い選手だった”ってよく周りから聞いた。一緒にできるのは本当に楽しみ」。西武・松井稼と同じユニホームを着たことがあるのは、現役ではこの2人くらいだ。

 愛媛県今治で自主トレを公開した主将の浅村は、こう言った。「高校に入る前、中学生くらいの時に本当に好きでした。自分もポジションはショートだったし、稼頭央さんみたいな選手になりたいと思っていた」。若手が台頭しつつあるチームの中では、おそらく浅村のような思いの選手がほとんどだろう。テクニカルコーチ兼任で15年ぶりの西武復帰。その松井稼が都内のグラウンドで自主トレを公開した11日、松井稼のある言葉が、心に引っかかった。

 「僕もライオンズで日本一になったことがない。ぜひ今年はチーム一丸で、全員が同じ方向を向いて、僕もその一員になれるように、まずは優勝、そして日本一に向けてやっていきたい」。この「チーム一丸」。13日、静岡県下田市で自主トレを公開した秋山はこう言った。「一つにまとまることが本当に大事。うちに一番、必要なことだと思っている。個々の能力は本当に高いチーム。そこがまずできるかどうかが、今季の重要なところ」。浅村は「栗山さん、中村さん以外は優勝経験していない。そこはみんなで味わいたいという思いは強い。全員で味わって優勝したい」と「みんな」、「全員で」とした。

 経験値の高いベテランの加入は、数字以上のチーム強化につながることがある。各地でレオ戦士が意識したチームのまとまり。その結束に42歳のベテランがどんな役割を果たすか、今から楽しみだ。(記者コラム・西武担当 春川英樹)

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2018年1月17日のニュース