巨人・阿部 400発イヤーは「隠忍自重」の精神 無精ひげ“島ごもり”

[ 2018年1月8日 09:00 ]

無精ひげを生やした顔で充実感を漂わせる笑みを浮かべる阿部
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 修行僧のような鋭い眼光に無精ひげ。グアムで自主トレに取り組む巨人・阿部が、今季のテーマを四字熟語で掲げた。

 「隠忍自重。仏教にも通じる言葉だと思う」。「苦しみを耐え忍び、軽々しい行いをしない」の意味だ。

 気温30度。刺すような日差しの下、今年初めてロングティーでバットを豪快に振った。あと12本に迫った通算400本塁打イヤー。球団では王貞治、長嶋茂雄だけの大台を目指し、己を律した。

 長嶋氏は現役時代のオフ、伊豆で7年間も「山ごもり」したことで知られる。阿部は04年に南国の島で自主トレを開始。これまでは後輩の面倒を見てきたが、初めて単独で乗り込んだ。同地で年越ししたのも初めてで、今月末まで1カ月近く続く「島ごもり」だ。

 「苦行」は体形が物語っている。近年のオフは100キロオーバーだった体重は96キロ。緑黄色野菜を大量摂取し、酒は多いときで週に3日も断った。写真を見た姉から「痩せたね。いいことだ」とメッセージが届いたと言い「姉は、酒豪なのを知ってるから。完全に飲まない日がいっぱいあった。例年より断然少ない」と笑った。

 「隠忍」は司馬遷の歴史書「史記」に出てくる戒めの言葉。「晩年は波風立てずにおとなしく、じっと耐える」と阿部。プロ18年目へ向け鍛錬を続ける。(米グアム・神田 佑)

 ≪大台あと12本≫阿部(巨)は00年ドラフト1位で入団。過去の400本塁打達成者18人のうち、入団年が最も最近なのはローズ(464本塁打)の96年で、00年以降入団では初の大台が目前になった。また、400号到達まで残り12本となっており、大台突破なら18年連続の2桁アーチも達成。入団1年目から18年連続10本塁打以上は山本浩二(広)に並ぶセ最多タイ記録で、長嶋茂雄の17年を抜く球団新記録になる。

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