阪神・藤浪 雪辱の6年目 目標は200イニング「結果を残す。それだけなんで」

[ 2018年1月4日 09:00 ]

阪神の藤浪
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 阪神の藤浪晋太郎投手(23)がスポニチ本紙のインタビューに応じ、12月に都内で行った自主トレの成果や、プロ6年目シーズンにかける意気込みを語った。3勝にとどまるなど、不振に終わった昨季から巻き返しを期す1年。目標をキャリア初となる200イニングに設定し、チームのリーグ優勝への貢献を宣言した。(取材・遠藤 礼)

 ――復活を期す18年シーズンが始まった。先発ローテーションを奪いに行くところからのスタートだ

 当たり前ですよね。昨年ファームで1年間過ごした人間に先発当確と言うかというと、言わないですし。

 ―不振の1年。精神的に苦しい部分も

 やっぱり成績出てないと楽しくないですよね。ヤジとか、自分も1人の人間なんで悲しい思いはしますけど、来年見とけよ、という気持ちも持ちつつでしたね。

 ――逆境から見返す

 やるしかないんで。結果を残す。それだけなんで。

 ――キャンプ、オープン戦でも結果が求められる

 今までだったら、オープン戦でスコスコ打たれようが、調整で済みましたけど、そうじゃなくなる。結果は求められますけど、その上で使ってもらえるか。多少、ヒット打たれて失点しても、それでも使いたいと思わせる魅力あるボールだったり、アウトの取り方なら使ってもらえるでしょうし。

 ――数字的な目標は

 自分の中で200イニングは目標としてやりやすい。そこの価値観はずっとブレない。自分の中で先発ローテを守ることと、イニングを投げることが先発の仕事だと思っているので。

 ――チーム事情的にも完投能力のある先発が求められる

 投げるからには、イニングを投げたいですね。しっかり自分のために投げたい。

 ――優勝を狙う上で、主力としていたい

 自分がしっかり活躍できれば、優勝にも貢献できるでしょうし。淡々と自分のことをやれば、チームに貢献することにもつながると思う。来年は、自分のために野球がやれたら。自分のためにブレずに、やりたい。

 ――金本監督は東京五輪出場を希望していた

 今年みたいな成績では選ばれないですし、しっかりやれば選んでもらえる可能性はあるんじゃないかと思います。東京五輪に出られるように頑張るというよりも、成績が出れば選んでもらえるでしょうし。

 ――日の丸は特別

 国際試合はなかなかあるものじゃないですし、特に東京で五輪をやるのは、プレーヤーのうちは2度とないでしょうし、生きてるうちに日本で五輪は、あるか、ないかの話。出てみたいのは、もちろんありますし。まず、目の前の1年、1年をやれば選んでもらえるんじゃないかと。

 ――同世代の大谷がメジャー挑戦

 楽しみですよね。米国で日本人が二刀流やれるのかっていう。誰もできないですし。イチローさんも、松井秀喜さんも、ダルビッシュさんも、田中将大さんもできないですし。誰もやったことないことですし、それはやっぱり楽しみですね。

 ――投手と野手どちらが楽しみか

 どっちでしょう…。どっちも凄いから捨てがたいですけど…。日本人投手は、すごい人は活躍してるイメージ。前人未踏感があるのは、バッターかなと。どちらも楽しみです。

 ――12月は東京を拠点に自主トレ

 トレーニング、ウエートを基本に。体幹の先生だったり、目の先生だったり、動作解析だったり。そういうところにいろいろ行って。あとはトラックマンの勉強とかですね。

 ――トラックマンの勉強会とは

 トラックマンのデータをどういうふうに活用するか。そういう講義があって。何人か他球団の選手もいました。回転数とかを見て、自分でどう生かすかとか。どういう傾向にあるっていうのをグラフから学び取れるようにして欲しいという。

 ――新たな発見は

 自分のデータはある。他の球場で取られたものとか。新しい発見はありましたね。いろいろ傾向とかですね。

 ――例年通り、12月はノースロー

 ほとんどしてないです。毎年12月はそうなんで。肩作る分には、1月からしっかり投げられればキャンプには投げられる状態にできるので。

 ――プロ入りから継続してきた体重増への取り組みは

 増えたら良いなぐらいで、普通にやったら増えるだろうと。体重増やすことが目的じゃないので。プレーのパフォーマンスが上がることが目的。(目指しているのは)筋力が強くなって、球が速くなりました、フォームが安定するようになりました、筋肉をうまく使えるようになりました(ということ)。結果、筋肉が大きくなったから、体重が増えましたと。それぐらいの感じでいけたら良いと思ってるので、何キロとかはないです。

 ――目の専門機関での収穫は

 視力というより、物を捉えるとき、一生懸命、見過ぎると力が入りますし、リラックスして見れれば、力みは取れたりする。見てるのは脳なので、見えたものを一生懸命、見ようとするか、しないか。とらえ方によって体の力みが違うんですよ、と。よく使う「目力」が誤解されているところがあって、という話。自分にない発想で、おもしろいなと。

 ――17年シーズンを振り返って

 成績的には良くないシーズンでしたし、1年間のほとんどを2軍で過ごしたんですけど、良い経験と言えるようにしたい。実際、良い経験だったので。今まで自分のために期間を取って練習するっていう時期がなかったので。2軍ではフォーム直すために、ということができたので。そういう意味では新鮮な経験でしたし、良かったかなと。

 ――フォーム的には、良い時のものを取り戻すのか、新しいものに取り組んでいるのか

 両方ですね。新しいものを入れる部分もあれば、もともと使えてた部分をしっかり使えるようにして、というところもあります。一概に全部変えてしまうとか、良かった時の姿を追いかけるわけではないですし。

 ――フォームで追い求める部分は

 言葉にすると、メカニック的に内旋がどうとか、体幹がどうとか、地面反力の話になってくるので(説明するのは)難しいですけど。足の使い方に関して言えば、今まで良かった時はもっと地面を捉えてる感覚というか。しっかり地面で踏ん張って投げられていた感覚があったんですが、それが、ずっとやってきた疲労とか、硬くなったりとか。そういうのが、使えなくなってきてたり…。動作解析の先生は、足の裏を縮める力が弱くなってるから、地面を捉える力は弱くなってるというのも一つある、と。そういうところを元に戻すという意味では下半身。足を上げた時で言えば、腰方形筋っていう筋肉を使って、うまく内旋して安定したりとか。それは新しい取り組みですね。

 ――蓄積疲労もあったのか

 自分では実感がなかったですけど、動作解析の先生から言わせると、1年目から2年目、3年目とは体の使い方が全然違ってきてる、と。使えてないところがあるんだと。ストレッチとかでは追いついてないところもありますし。機能的には落ちてきてるところもあるのも事実でしたし。今まで若さで何とかできたけど、それが崩れてくると、どんどんおかしくなってくるんじゃないか、と言われました。蓄積疲労のせいにはしたくないですけど、事実として認めないといけないよ、と。

 ――長い野球人生を考えれば、分岐点に

 今までならそこに立ち返ってたら大丈夫と思ってたところに立ち返ったところで、体が使えてないから、良いふうにならない。昨年はその繰り返しだった。そういう意味では新しい、安定して立ち返れる場所というか。今までは、感覚的に体の使い方を、こうすればここに戻ってくるという感覚でしたけど、今は足が使えてないから安定しないとか。立ち返れる場所が、いろいろ勉強して、より深くなる。この辺、硬くなってる、使えてないとか、そこまで立ち返れる。感覚的な部分じゃなく、事実としてです。

 ――新しい発見もあって、今季はワクワク感、楽しみな部分も

 1月にキャッチボールするのが楽しみですし、やったことが、すぐに出るとは思ってないですけど、感覚の違いとかは出てくると思うので、楽しみです。

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