1軍レベル痛感…広島・坂倉 誠也から金言「モヤモヤが少し晴れる感じ」

[ 2017年12月31日 05:30 ]

広島の坂倉
Photo By スポニチ

 広島・坂倉将吾捕手が(19)が自分磨きに励んでいる。ウエスタン・リーグ2位の打率・298をマークし、1軍でもプロ初安打を放った順調な1年目。一方では心ひそかにジレンマも抱え、鈴木誠也外野手(23)から“心技”での助言を得た。今オフは、より高みを目指してフォームの微調整に着手。2年目の来季、まずは開幕1軍入りを目標に掲げる。

 2軍で確かな足跡を残して臨む初のオフ。坂倉は先輩の鈴木に連れられ、マツダの屋内や大野練習場で何度か汗を流した。先輩スラッガーのDNAが吸収できる貴重な時間。目は輝き、前向きな言葉が口を突いて出た。

 「誠也さんにいろいろ教わり、自分で試すようになった。目的がはっきりしたので、オフは結構(練習)できているかな…と」

 高卒1年目でウエスタン・リーグ2位の打率・298は出色。10月7日にあった巨人とのファーム日本選手健(宮崎)、チームを初優勝に導く右越え3ランも記憶に新しい。まさに順風満帆。それでも坂倉は、納得していないと首を横に振る。

 「数字だけで言えば上出来。でも、内容的にはモヤモヤが残ったまま終わりました…」

 原因ははっきりしている。7打数無安打6三振に終わった阪神・藤浪との対戦。「直球が前に飛ばない。藤浪さんとやった時、自分はこの程度だ…と思い知らされた」。対藤浪はもちろん、1軍レベルの投手の力ある直球をどう打つか―。

 救世主となったのが鈴木だ。当時は右足首手術を終え、3軍の大野練習場で練習を再開したばかり。「今しかない。そう思って聞きに行きました」。速球にめっぽう強い先輩。技術面はもとより考え方にまで話は及び、金言を授かったという。

 「それを試せたのが(秋の)フェニックス・リーグ。ほんと楽しくて、モヤモヤが少し晴れる感じでした」

 独特の間合いを持つ坂倉だが、スイングする際に体が投手側に寄るのが特徴。いきおい変化球は拾えるが、速球には詰まりやすい。「形を変えるまでは考えていませんが、違った対応ができるようにならないと」。それが現在の目的と課題だ。

 2年目の来季。同じポジションにはドラフト1位の中村奨(広陵)が加わる。坂倉は泰然自若。「自分は、自分のやるべきことをやるだけです」。雑音を封じ、誠也譲りの技術を磨いて「開幕1軍を目指す」のみだ。(江尾 卓也)

続きを表示

2017年12月31日のニュース