DeNA躍進の理由 ラミレス監督の大胆采配を振り返る 

[ 2017年12月25日 08:50 ]

DeNA・山崎康晃
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 (1)山崎康配置転換

 開幕12試合目の4月14日、延長戦でヤクルトを振り切り4勝7敗1分けとした試合後に断を下した。セーブ失敗、2試合連続失点を喫した守護神・山崎康の配置転換。セットアッパーのパットンと役目を入れ替えた。

 ラミレス監督の頭の中にあったのは、春先に最大借金11を抱えて優勝争いから遠ざかった昨季の失敗だ。「個人の成績よりもチームの勝利。去年と同じ轍(てつ)は踏まない」。山崎康は次第に復調し、5月20日には抑えに戻った。今季は自己最多の68試合に登板し、防御率1・64は自己ベスト。「中継ぎの経験はとても大きかった」と振り返った。

 (2)筒香を3番起用

 「3番・筒香」。6月30日の巨人戦でラインアップが発表されると、観客席がどよめいた。28日の広島戦後、ラミレス監督は「勝利により貢献してもらうために3番で使う」と明言していた。「4番だと勝負を避けられることもある。後ろにロペス、宮崎といれば相手も逃げられない」。明確な意図があった。

 かみ合う歯車。8月22日広島戦ではクリーンアップ3連発で逆転サヨナラ勝ちを収めた。9月29日阪神戦、シーズン5試合を残して3番・ロペス、4番・筒香の並びに戻る。Aクラス入りを決め、CSを勝ち進んだ。ベストナインには3人がそろって名を連ねた。

 (3)CS開幕に井納

 選手起用の上でデータを何より重んじる指揮官が、短期決戦ではその方針を大胆に転換した。10月14日の阪神とのCSファーストS第1戦、先発を託したのは今季6勝の井納。11勝を挙げ甲子園で3戦3勝、防御率0・48の今永を使うという大方の予想とは違った。

 「井納はここぞの試合でいい投球をしている」と、昨年CSで2戦2勝という勝負強さに懸けた。チームは敗れたが6回2失点と力投。同20日の広島とのファイナルS第3戦では6回途中無失点、打っても勝利打点を挙げる活躍だった。短期決戦ならではのタクトが的中。リーグ王者撃破へ弾みをつけた。

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2017年12月25日のニュース