人的補償で阪神加入の尾仲がスパイ宣言 “天敵”今永攻略法も任せて

[ 2017年12月19日 05:35 ]

尾仲はDeNAから移籍入団しボールを手に笑顔を見せる
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 国内フリーエージェント(FA)権を行使しDeNAに移籍した大和の人的補償で阪神が獲得した尾仲祐哉投手(22)が18日、兵庫県西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。新たに猛虎の一員となった右腕は、今季3勝を献上するなどチームが苦手とする今永をはじめ、DeNAの情報を供給する「スパイ」になることを宣言した。推定年俸は920万円で、背番号は「27」に決まった。

 虎での“第一声”は何とも頼もしかった。DeNAの情報を提供するか?と問われると、額に大粒の汗を浮かべ緊張気味だった尾仲の表情が一段と引き締まった。

 「チームは阪神なので。リーグ優勝するためには、そういう情報も欠かせないと思うので(伝えていく)」

 投球だけでなく、リーグ優勝を争うDeNAに対するスパイ役としても大きな戦力が加わった。今季、阪神打線はDeNA投手陣に年間通して苦戦を強いられた。浜口、ウィーランド…。特に左腕・今永には5試合で3勝を献上。しなやかな腕の振りから繰り出されるキレ味抜群の直球を、なかなか芯で捉えることはできなかった。

 そんな虎の「天敵」と尾仲は同じ福岡県北九州市出身で昨オフには自主トレを行った間柄。頼れる先輩と多くの時間をともにしただけに、尾仲しか知らない攻略法を猛虎打線に還元すれば、今永撃ちへ勢いがつく。今永についての情報提供にも「そうですね、はい」と力強くうなずいた。

 本職のマウンドでは「ブルペンで見ていても安心感があった」という筒香、宮崎らを斬ってのアピールを宣言。「良いバッターと分かってますけど、そういう選手を抑えてこそ、1軍でも生き残っていけると思う。自分では楽しみでもある」。

 最速151キロを誇る直球と合わせ、投球テンポ、リズムも大きな武器。同僚となる藤川球児を目標に掲げ「どうやって(直球を)投げているか聞いてみたい」と弟子入りも熱望した。「評価してもらった以上、期待に応えるしかない。(先発、救援)どちらで使われてもいいようにトレーニングはしていきたい。チームの優勝に貢献できるよう頑張りたい」。腹は決まった。猛虎の一員となった尾仲が、当然のように古巣にも牙をむく。 (遠藤 礼)

 ◆尾仲 祐哉(おなか・ゆうや)1995年(平7)1月31日生まれ、福岡県北九州市出身の22歳。高稜から広島経大に進み、広島六大学リーグで通算23勝。16年ドラフト6位でDeNA入り。今季は5月9日中日戦でプロ初登板を果たすなど11試合1勝1敗、防御率6・52。1メートル73、72キロ。右投げ左打ち。

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2017年12月19日のニュース