センバツ21世紀枠候補 藤岡中央、24人の瞳で新たな物語を

[ 2017年12月16日 05:30 ]

センバツ21世紀枠の関東地区で推薦された藤岡中央ナイン
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 日本高野連は15日、第90回選抜高校野球大会(来年3月23日から13日間、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。全て公立校で、少ない24人の部員で秋季県大会4強入りした藤岡中央(関東・群馬)や、進学校の膳所(近畿・滋賀)、下関西(中国・山口)などが選ばれた。出場3校は、一般選考の33校(神宮大会枠を含む)とともに、来年1月26日の選考委員会で決まる。

 午後6時8分。藤岡中央の2年生部員は広島、大阪への修学旅行を終えてバスで群馬県藤岡市の学校に到着した。古平一貴監督から21世紀枠候補9校に残ったことを告げられると、1年生とともに笑いの輪が広がる。女子マネジャー3人を含めて部員は24人だけ。大半が地元出身だ。公立校ながら専用グラウンドを持ち、他の部活に遠慮せず練習することが可能。少人数を感じさせない好成績を挙げたことが、候補推薦の理由になった。

 「甲子園が3分の1の確率になったので、凄く楽しみ」。最速143キロエース門馬の瞳が輝いた。秋季県大会の準々決勝では、5季連続県制覇中で16年夏から3季連続で甲子園に出場していた前橋育英を相手に延長14回を投げ抜き、1失点で勝った。関東学園大付との準決勝では延長11回の末にサヨナラ負けしたものの、10回1/3で20三振を奪った。

 秋季県大会で計48回1/3を投げて66奪三振。「追い込んだら三振を取りたい。三振に対してのこだわりはある」。以前は精神的なもろさもあったが、指揮官は「少しずつ大人の投球ができるようになってきた」と評価。150キロ到達を目指す右腕は「甲子園に出られたら全部勝つ気でいく」と腕をぶす。

 05年、ロック歌手の氷室京介の母校・藤岡と藤岡女子が統合して開校。13年目で歴史が浅く著名な卒業生もいないが、下田主将は「地元を盛り上げたいと思って入学した」と明かす。藤岡市から聖地出場となれば初。人口6万6237人の街から「24人の瞳」が新たな物語をつくる。(原田 真奈子)

 ▽藤岡中央の今秋の前橋育英戦 群馬県大会準々決勝で対戦。先発・門馬は延長14回を一人で投げきり6安打1失点、11奪三振の熱投を見せた。打線は1―1の14回、高橋が決勝の三塁打。県内公式戦33連勝中だった前橋育英を2―1で撃破。

 ▽21世紀枠 甲子園への出場機会を広げるため、2001年の第73回大会から導入。練習環境などのハンデ克服や、地域貢献など戦力以外の要素を加味する。秋季都道府県大会で参加校が128校を上回る場合は16強、それ以外は8強以上を条件に、全国9地区から1校ずつを候補校として推薦。東(北信越、東海以東)と西(近畿以西)から1校ずつ、残りの7校から3校目を選ぶ。最高成績は01年宜野座(沖縄)と09年利府(宮城)の4強。

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