福留は1000万円減、新球団社長と“トップ会談”V奪回共闘へ

[ 2017年12月12日 05:30 ]

契約更改後の会見を終え、席を立つ阪神・福留
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 阪神・福留孝介外野手(40)が11日、兵庫県西宮市内の球団事務所で交渉し、1000万円減の年俸2億2000万円で契約を更改した。交渉には1日付で就任したばかりの揚塩健治球団社長(57)が同席。来季も主将を務める最年長選手と球団社長との異例の“トップ会談”で、悲願のV奪回への共闘態勢を整えた。

 お金の話はそっちのけで、熱い思いをぶつけあった。本来は契約交渉のはずだった席での選手トップと球団トップとの約40分間の異例の“会談”。じっくり話をするのは初めてだった主将と新社長の話題は多岐にわたっても「どうすれば優勝できるのか」という一点に集約された。

 「なかなかお会いする機会もなかったので。どうやったらチームが優勝できるのかなというのを僕らは現場でやっているけど、(揚塩社長は)フロントだけじゃなく、現場とフロントを一体化して優勝したいというのをすごく強く思っていらっしゃるというのは、話の中で感じました」

 契約交渉は谷本修球団本部長、嶌村聡球団副本部長の担当分野。揚塩社長の同席は初めてだ。チーム最年長で来季も主将を務める福留は選手の中でも別格。直接意見を交換することで現場、フロント一丸でV奪回を目指す来季へ布石を打った。

 「キャプテンという立場なので“チームをまとめてほしい”と。“常に一人でというのじゃなく、チームの中で助け合いながら”というのも言われた。社長自身が組織の長として“そういうことを意識しています”という話もされていた」

 異例のホットラインもつながった。福留は「社長の方から“どんどん言ってください”という言葉をいただいた」と明かし、揚塩社長も「私から発信することで現場にそぐわないことがあれば、キャプテンとして“社長、それはちょっと違うんじゃないですか”というのを広報、マネジャーを通してでもいいから言ってくださいと。キャプテンの責任と権限がありますからと。そういう言い方をしました」とうなずいた。

 初めて主将を張った今季は127試合で打率・263、18本塁打79打点。勝負どころでの頼もしさは抜群で、数字以上の存在感を放った。2億3000万円の高給から1000万円の微減にも「この年になってまた契約をしていただいて、野球をする環境をいただいているので」と金額には無関心。個人目標も一切置かず、「優勝。それしかない」ときっぱり言い切った。(山添 晴治)

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