大谷、エンゼルスと合意 代理人声明「強いつながりを感じた」

[ 2017年12月9日 04:36 ]

エンゼルスと合意した大谷翔平(AP)
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 ポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指していた日本ハム・大谷翔平投手(23)が、エンゼルスと合意したことが8日(日本時間9日)分かった。米メディアも一斉に報じた。27球団が参戦したとされる争奪戦の中で、熟考の末に決断。マイク・トラウト外野手(26)、アルバート・プホルス内野手(37)の新旧スーパースターのもとで、二刀流右腕がさらに進化する。

 大谷がついに決断した。米メディアは一斉に代理人のネズ・バレロ氏の「今朝、徹底した詳細なプロセスを経て大谷翔平はロサンゼルス・エンゼルスと契約することに決めました。彼はエンゼルスとの強いつながりを感じ、メジャーでの目標を達成するのに最適なチームだと判断した」との声明を伝えた。

 「天使の軍団」が、大谷のハートを射止めた。米メディアの間では全くのノーマークだったエンゼルスだ。プレゼン文書による「1次選考」を通過後も、トレードで「インターナショナル・ボーナスプール」と呼ばれる25歳未満のドラフト対象外の外国人選手に使える契約金枠を増額。誠意を尽くした。

 「1次選考」で脱落したヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、大谷が西海岸で中小規模の都市を希望していることを示唆。本拠地球場エンゼルスタジアムはロサンゼルス郊外のアナハイムにある。また、米メディアでは大谷が日本選手のいない球団を希望していたとも伝えられており、エ軍はこの3点に合致した。

 ヤンキースGM補佐時代の13年オフ、田中の獲得に尽力したビリー・エプラーGMの戦略が奏功した。田中視察のために来日した時から大谷も熱心にチェックしていた経験も生かし、綿密な二刀流起用プランを作成。メディアを通じてラブコールを送ることはせず、プレゼンの文書と直接交渉で、それを大谷サイドにぶつけた。

 今季80勝82敗と負け越したエ軍は、投打で大谷の力を必要としている。先発投手による勝利数の合計は30球団中26位の44。14、15年に合計28勝を挙げ、ここ2年は故障に泣かされた右腕リチャーズらとともに、ローテーションの中核を担うことが期待されている。

 打線はチーム打率が30球団で28位・243に終わった。DHとしては、来年1月に38歳となるプホルスとの併用が濃厚。通算614本塁打で将来の野球殿堂入りが確実なスラッガーの野球に取り組む姿勢を間近で学ぶことができる。同時に、26歳の若さで通算201本塁打を誇るメジャー屈指のスター、トラウトからも刺激を受けることができる環境だ。

 大リーグでの2桁本塁打&2桁勝利は、1918年にベーブ・ルース(当時レッドソックス)が一度達成しただけ。来季達成すれば100年ぶりの快挙だ。1961年創設とメジャーでは歴史の浅いエ軍の一員として、新時代のパイオニアとなる。

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