ソフトB摂津「駄目だったら最後」現状維持4億円も3年契約最終年

[ 2017年12月9日 05:30 ]

現状維持で契約した摂津は険しい表情
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 かつてのエースが背水の陣で挑む。ソフトバンク・摂津正投手(35)が8日、福岡市のヤフオクドームにある球団事務所で契約更改に臨み、3年契約の最終年となる来季を現状維持の年俸4億円プラス出来高払いでサインした。「これで駄目だったら最後」と悲壮な決意をにじませ、日本一連覇を目指すチームに貢献することを誓った。

 覚悟を決めた男の顔だった。交渉を終えた摂津が切り出した。

 「契約最終年なので、これで駄目だったら最後だという強い気持ちを持っていきたい」

 今季は開幕ローテーションを外れ、登板7試合で2敗。9年目で初めて未勝利に終わり、防御率は自己ワーストの5・61。2勝どまりの昨季に続き、納得できる結果ではない。「全く貢献できなかったので、悔しいシーズンだった」。報道陣に球団と何を話したか問われると、少し自虐的に笑いながら言葉を並べた。「球団からは(2軍施設のある)筑後ではなくてヤフオクドームでやってくれと言われたので、期待に応えられるように頑張りたい」。悔しさを必死に押し殺した。

 これまで華々しいプロ人生を築いた。新人だった09年に球団新記録の70試合に登板し、新人王と最多ホールドポイントのタイトルを獲得した。翌10年も71試合に登板。自身の希望もあって先発転向した11年から5年連続で2桁勝利。12年は最多勝、最高勝率に加え、沢村賞に輝いた。昨季まで5年連続で開幕投手を担った。

 巻き返しを期す10年目の来季へ“オフ返上”で始動している。今季終了後、ゆっくり休んだのは約1週間で、ウエートトレなどを再開。キャッチボールも継続している。年明けは恒例のグアムで自主トレに入る。「絶対ドームで投げる気持ちで投げたい。先発ローテーションに割り込んでいけたら」。メガネの奥の瞳は真っすぐ前を見つめ、来季に向けられていた。(後藤 実穂)

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2017年12月9日のニュース