西武・炭谷 初の高卒プロ野球選手会会長に気合 だからこその役割あり

[ 2017年12月8日 08:12 ]

握手する西武・炭谷新選手会長(左)と楽天・嶋前選手会長
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 労働組合・日本プロ野球選手会は7日、大阪市内のホテルで定期大会を開き、嶋基宏会長(32=楽天)に代わる第9代の新選手会長に西武・炭谷銀仁朗捕手(30)を選出した。

 任期は1年ごとの更新。高卒では歴代初の会長就任となり、球界の4割以上を占める高卒選手の意見の受け皿となることも期待される。

 プロ入り12年目。高卒たたき上げの新選手会長が誕生した。定期大会後、ネイビーブルーのスーツ&紫のネクタイ姿でビシッと決めて会見に臨んだ炭谷新会長は「大変な役割で気合が入っています。責任は重いですが、凄く光栄。プロ野球界、選手会が少しでもより良いものになれば」と笑顔で話した。

 初代の中畑清会長(現スポニチ本紙評論家)から数えて9代目。これまでは大学、社会人出身者が占めていた選手会長職に、歴代初めて高卒で就任した。「自分では意識せずに、と思っています」。プロ野球界は学歴社会ではない。炭谷新会長はあくまで自然体を強調したが、高卒だからこそ求められる期待も大きい。

 今年2月1日時点で、12球団の支配下登録選手(外国人除く)の42%(309人)が高卒。2位の大卒の32%より10%も多い。その「最大勢力」の声を広く吸い上げるには炭谷新会長はもってこいの存在だ。未成年である18歳でプロの世界に入り、一方で退団後のセカンドキャリアも大きな課題となっている。選手会関係者も「高卒と大学、社会人では野球を辞めた後に大きな溝がある。炭谷会長には選手に歩み寄れる立場を期待している」と強調した。

 「19年のプレミア12以降には、1年半で3つの大きな国際大会も控えている。僕にできることに全力で取り組んでいきたい」。日本野球機構(NPB)との定例の事務折衝にも「時間が取れれば積極的に出席したい」との意向を示した。地道にキャリアを積み上げてきた男は一歩一歩、球界の課題に取り組んでいく。 (鈴木 勝巳)

 ▼嶋基宏・前選手会長(5年間の任期を終え)統一球や契約更改の問題など、少しだけどお役に立てたかなと思う。炭谷君はリーダーシップもあるし、彼なら任せられる。

 ◆炭谷 銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)1987年(昭62)7月19日、京都府生まれの30歳。平安では高校通算48本塁打。05年高校生ドラフト1巡目で西武に入団。06年3月25日のオリックス戦で高卒新人捕手ながら開幕スタメン出場を果たした。15年ベストナイン、12、15年ゴールデングラブ賞を受賞。13、17年に侍ジャパンとしてWBC出場。1メートル81、93キロ。右投げ右打ち。

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