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【決断】DeNA大原 子供たちに伝える「野球の力って凄い」

11年5月11日の巨人戦でプロ初勝利を挙げた大原
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 「ホッとした」というのが率直な感情だった。9月下旬の横須賀市内のベイスターズ球場。戦力構想から外れたことを通告されたDeNA・大原慎司投手(32)は、冷静に状況を受け止めた。

 「言われたときは変な話、ホッとしたんです。もやもやが取れたというか…。クビを宣告されたら他に行くという選択肢はなかった。そんなに器用には生きられないと思っていましたから」

 7年目の今季は、プロ入りして初めて1軍に一度も呼ばれなかった。伏線は左肩を痛めた15年からあった。手術でなく、保存療法を選択したが「(球を)はじいている感覚も弱かったし、ミットに着くまでの軌道も全然違った」。自分の理想の球を投げられない。もがきながら3年間を過ごしたからこそ、決断に時間はかからない。家族と相談し、約1週間で引退を決めた。

 1年目の出会いが、プロ野球人生での礎となった。真っ先に新人左腕を、キャッチボールに誘ってくれたのが、同じ中継ぎ左腕の篠原だった。「競う立場だったが、キャッチボールをしようと声を掛けてくれた。状態の確認の仕方や投げ方を学ばせてもらった」。木塚1軍投手コーチには、宝刀のスライダーが捉えられることが多くなったシーズン中盤にツーシームを教えてもらった。「そこから投球の幅が広がった」と振り返る。

 くしくも、2人が1軍投手コーチを務めた今季限りで引退する。「しのさんときづさんの方から連絡を頂いた。“ありがとうな”と“もっとやってあげるべきことがあったかもしれない。すまない”という言葉をもらった」。2人との出会いがあったからこそ、今の自分がある。感謝の気持ちでいっぱいだ。

 今は球団の野球振興部に所属し、野球教室などを通して野球を広める仕事に就いた。その中で11年5月11日の巨人戦でプロ初勝利を挙げたときの出来事を思い出した。同年3月11日にTDK時代に仲の良かった後輩の実家が、東日本大震災で被災。周囲に声を掛けられても「うるせえよ」と反発し、お見舞いの品を断るほどに落ち込んでいた後輩から、初白星の直後にメールが届いた。「頑張っている姿を見て、僕も頑張ろうと思いました」――。その時に感じた。「野球の力って凄い」。その思いを子供たちに伝えていく。 (中村 文香)

 ◆大原 慎司(おおはら・しんじ)1985年(昭60)6月30日、茨城県生まれの32歳。小4から野球を始め、泉丘中では軟式野球部。明秀学園日立では3年夏の茨城大会4回戦敗退など甲子園出場なし。常磐大では関甲新リーグ通算11勝14敗。TDKでは補強選手を含め3年連続都市対抗出場。10年ドラフト5位で横浜に入団し、1年目に新人最多記録に並ぶ71試合に登板した。1メートル74、66キロ。左投げ左打ち。

[ 2017年12月7日 11:00 ]

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